デパケン(バルプロ酸ナトリウム)とは抗てんかん薬として処方される代表的な薬です。躁うつ病の治療や偏頭痛の予防としても用いられる薬です。
作用として、脳神経の興奮をおさえる抑制性神経伝達物質ガンマアミノ酪酸(GABA)が、この薬を飲むことで、ドパミン濃度を上昇、セロトニン代謝を促進します。
脳内の抑制系の物質を促進し、興奮を鎮める働きをします。
引用画像:Qlife
目次
デパケン(バルプロ酸ナトリウム)の効果・作用
躁状態がひどくなると、落ち着きがなくなり、妙にはしゃいだり、怒りっぽくなったり、行動がエスカレートしてきます。
躁状態はときに、家庭や社会で大きな問題を起こしてしまう病気です。
このお薬は、そのような躁病や躁うつ病の躁状態の治療に用います。脳の神経をしずめて、気分の高ぶりをおさえ落ち着かせる効用があります。
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ガンマアミノ酪酸(GABA)は、脳神経の興奮をおさえる抑制性神経伝達物質です。デパケンは、そのガンマアミノ酪酸の脳内濃度を高めます。
さらに、ドパミン濃度を上昇、セロトニン代謝を促進し、脳内の抑制系を活性化させることで、脳神経の興奮をしずめる作用があります。
主にてんかんの発作を防ぐ薬として用いられますが、片頭痛、躁病などの改善作用をあらわす薬としても処方されます。
デパケン(バルプロ酸ナトリウム)のジェネリック製品
デパケンのジェネリック製品として以下があります。
「バルプロ酸ナトリウム」という名称で、各製薬会社から販売されています。
- 藤永製薬
- 共和薬品工業
- 小林化工
- 日医工
- 共和クリティケア
- 大日本住友製薬
デパケン(バルプロ酸ナトリウム)の服用上の注意
- 重い肝臓病や尿素サイクル異常症のある人は使用できません。
- 妊娠中は基本的には使用しません。
- カルバペネム系抗生物質は避けなければなりません。併用により、この薬の血中濃度が低下し、てんかん発作が再発するおそれがあるためです。
カルバペネム系の多くは注射薬になりますが、飲み薬としてテビペネム(オラペネム小児用細粒)の1種類があります。 - そのほか、いろいろな薬と相互作用を起こしやすい性質があります。飲み合わせによっては、この薬の作用が強まり、副作用がでやすくなります。
逆に効果が弱くなってしまうこともあります。
※服用中の薬は必ず医師に報告しておきましょう。また飲む量や飲む時間を必ず守ってください。
デパケン(バルプロ酸ナトリウム)の副作用
副作用でわりと多いのは、眠気、ふらつき、吐き気、食欲不振、けん怠感などです。
これらは、飲み始めに多く、しだいに軽減することが多いのですが、症状が強い場合は早めに受診なさってください。
重い副作用
重い副作用は少ないですが、まれに肝臓が悪くなることがあります。とくに飲み始めの数カ月間にあらわれやすいようです。
ほかにも、高アンモニア血症による意識障害、貧血、血液障害、膵炎、過敏症症候群などが報告されています。
定期的に各種の検査を受けて、効き具合や副作用のチェックをしてもらいましょう。
まとめ
今回は、躁うつ病の治療薬として用いられる「デパケン」について紹介しました。
体の気になることなどございましたら、身近なかかりつけ医にご相談ください。
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