「出産後気分が落ち込みやすくて…」「ずっと疲れてて、眠くて、感情的になりやすくなってる自分が嫌だ…」
この記事は、そんな悩みを抱えている方の手助けとなりたくて書かせてもらいました。
出産後は「産後うつ」という状況になってしまう人も珍しくありません。そこで今回は、産後うつになりやすい人の特徴や原因と考えられていること、治療方法について解説していきます。
まずはこの記事を読んで産後うつを知ることで、少しでも気持ちが楽になっていただけたら嬉しいです。
目次
産後うつになりやすい人の特徴
出産後の生活について妊娠中から大きな不安を抱えていた女性などは、産後うつを発症しやすいといわれています。
また、生理前になると体調を崩す”月経前症候群(PMS)”に悩まされていた女性が出産した場合も、産後うつのリスクは高くなるようです。
生理も妊娠・出産も、ホルモンバランスが大きく変動する状態を生み出します。強いPMSが見られていた女性ほど、極端にホルモンバランスが変わる出産後の心身状態に気を付けるべきだといえるでしょう。
また、妊娠中までは幸福感を抱いていたにもかかわらず、産後にうつ状態を起こす女性もいることから、誰もが産後うつになる可能性があると言っても過言ではありません。
ではそもそも産後うつの原因はどこにあるのでしょう?次の項目で解説します。
産後うつの原因と考えられている3つのポイント
産後うつの原因は、はっきりとはわかっていません。しかしながら、産後うつの要因として考えられている3つのポイントがあります。
- 出産に伴うホルモンバランスの乱れ
- 睡眠不足と疲労の慢性化
- ストレス
一つひとつ見ていきましょう。
出産に伴うホルモンバランスの乱れ
出産時、大きく分泌量が減少するホルモンが2つあります。一つは「エストロゲン(卵胞ホルモン)」、もう一つは「プロゲステロン(黄体ホルモン)」。エストロゲンは自律神経を整え、プロゲステロンは体温を上げる、食欲を増やすといった健康に必要な機能を持ちます。
エストロゲン、プロゲステロンの減少により身体面や精神面のバランスを崩しやすくなるため、産後うつの原因の一つになると考えられているのです。
また、産後は「プロラクチン(乳汁分泌ホルモン)」が増加することからさらに心身への変化を及ぼしやすい時期です。
睡眠不足と疲労の慢性化
生後3ヶ月ほどまでは昼夜問わず2〜3時間ごとに授乳が必要となる場合が多いです。そのため、十分は睡眠を取ることができず、睡眠不足と疲労が慢性化。肉体的な疲労が精神的な不調を増幅させ、心が疲れてしまう原因に。
ストレス
出産後は「母親」になることへのプレッシャーを強く感じる時期です。また、先ほど説明したホルモンバランスの乱れ、睡眠不足や疲労の慢性化により出産前よりもストレスに敏感になります。
精神障害の診断と統計マニュアル(DSM-Ⅳ)によれば、産後4週間から6週間の間が最も産後うつを発症しやすいとされています。
また、コロナ禍の現在は特に顕著ですが、子供との外出を極端に避けて家に閉じこもりがちになることも、症状を深刻にする理由の一つだと考えられるでしょう。
原因を知った上で、セルフチェックをしてみましょう。自分の状況を客観視することで、少し気持ちが楽になりますよ。
産後うつのセルフチェックリスト
産後は休む間もなく赤ちゃんのお世話に追われる日々が続きます。ホッとする時間もなかなか取れず、気がつくとなんだか気分が落ち込んだりイライラしたりということはありませんか?
もし、セルフチェックに当てはまるような症状が2週間以上続いているのであれば、産後うつを疑った方がいいかもしれません。
産後うつのセルフチェック
- 気持ちが落ち込みやすい
- 何かをする意欲がわかない
- あまり人に会いたくない
- 家事や育児に集中できない
- 夫またはパートナーが非協力的で不満を感じている
- 自分の身を整えることに無関心になっている
- 疲れやすい
- 集中力が落ちている
- 自分の赤ちゃんなのに愛情を感じられない
- 楽しめていたことに興味を感じられない
- 寝付きが悪い
- 食欲が落ちている
当てはまる項目が多いほど、産後うつの可能性も高くなります。
セルフチェックで不安を感じた人はできるだけ早いうちに、じっくり話を聞いてくれる赤平市の平岸病院に相談しましょう。
産後うつは自分だけで抱え込まない
産後うつかも?と考え、この記事を読んでくださっているあなたはきっと優しく、頑張り屋な方だと思います。だからこそ、一人で抱え込まず相談してください。
風邪を引いたら薬を飲みますよね、肩こりが酷ければ整体に行くでしょう。それと同じで、産後うつかも?と思ったら頑張らずに専門医に頼って欲しいと思います。
育児に専念できるよう、病院の力を使って回復していきましょう。
また、掃除や料理などを完璧にこなそうとする必要はありません。可能であれば、あなたの休息の時間を取れるよう、ご家族や友人に相談してみましょう。
産後うつの治療法
産後うつの治療法は大きく3つあります。
- 心理療法
- 薬物療法
- 磁気療法
一番の治療法は「こころを通わせる」という心理療法
では、どうすれば産後うつを治療できるのでしょうか。薬物治療や電気治療、磁気治療などさまざまな方法があるなかで、最も効果的で回復も早いとされるのが心理療法です。
特別な心理療法ではなく、母親が抱える不安や不満をしっかりとヒアリングし、他のお母さんはどうしているか教えてあげたりワンオペ育児にならないアドバイスを与えたりする、いわゆるカウンセリングが最も有効なのです。
孤立感から生み出されたのが産後うつなのであれば、孤立感を解消してあげればいいということになります。そこで重要になってくるのは夫や実家、地域の支援です。その一環として、病院を訪れカウンセリングを受けてもらうことはとても大切なことなのです。
先天的にうつになりやすい要素を持つ人もいますが、多くのケースではそれだけでも十分な効果が期待できるでしょう。
「抗うつ薬」や「漢方」を使用した薬物治療
薬で最も気になることは「授乳への影響」だと思います。専門医に相談すれば、授乳に影響の無い薬を選択し、赤ちゃんも健康なままお母さんも回復できる、といった薬を処方できます。
症状によって処方される薬も変わってきますので、育児で大変だと思いますが、一度だけでも通院してみましょう。
磁気療法については1回の治療に1万円以上かかることも珍しくなく、設備が整っている病院も限られていることから、基本的には「心理療法」、「薬物療法」を行うことをお勧めします。
産後うつを予防するためのポイント
産後うつは、リスクとなる条件や環境を改善することで予防することができます。
- パートナーや近親者に助けてもらう
- 産後ケア事業を利用する
- 地域の宅配サービスなどの利用
- ご自身の住む地域の市役所や保健センターなどに問い合わせてみましょう
- できない自分も全て許してあげる
- 育児に正解はないので他の子供と比べない
このような考え方や行動を初めからとっておくことで、産後うつの予防に繋がり、少しずつ症状も治まっていくでしょう。
まとめ
産後は寝不足になりがちで、思い通りに行動できずモヤモヤしやすくなります。産前の生活と比べると生活が大きく変わり戸惑うことも増えます。
その中で、情報に振り回されず孤独にならないことが、産後のメンタルを良い方向に導くことに繋がるのです。
周りや地域のサービスを存分に利用し、お母さんの負担にならない生活を送りましょう。そして、辛い時はためらわずに専門家に相談しましょう!
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