うつ病の多くは成人にみられますが、子どもにも起こりうる病気です。現代では、小学生のおよそ10人に1人、中学生になると10人に2人が抑うつ傾向にあるといわれています。
今回は、中学生のうつ病では、「どのような治し方があるのか」をお伝えしていきます。
思春期のうつ病はひきこもりや不登校、非行などにつながる場合もあり、早めに専門医に相談しながら、治すことが大切になってきます。
「セルフチェックリスト」も用意しているので、気になることがあれば、些細なことでも専門医に相談してみることをおすすめします。
目次
中学生のうつ病の治し方は?どんな治療法があるの?
「うつ」によるつらさを乗り越えるには、適切に治療をおこなうことが大切になってきます。3つの方法を組み合わせた治療が効果的です。
学校を休むなどの休養と環境調整を
学校でのいじめがうつ病の原因であれば、一旦休学する、夏休み明けは日本では学童の自殺率が増加することがわかっており、様子がおかしいと感じれば無理に学校には行かせず、休ませて本人が悩みを話せる環境を作ってあげていただきたいです。
しかし、うつ病になる方の性格的な特徴として、責任感があり真面目な点があげられます。学校を休むのはもちろんのこと、早退したり遅刻したりすることも嫌がる子供もいます。そのような場合には、医師や担任の先生と相談して休みやすい環境を整えてあげることも大切です。
精神療法・カウンセリング
精神療法は中学生のうつの治療において重要な方法の一つです。特に「認知療法」と「行動療法」を合わせた認知行動療法は、うつ症状の改善や対処方法を知ることに効果があるとされています。
認知療法は、偏った認知を整え、柔軟な考え方が出来るようにする療法です。例えば、「自分はダメだ」「できない」などといった否定的な「心のクセ」に気づき、「ダメとはかぎらない」「できることもある」とポジティブに変えていくものです。
行動療法は、「いつもより10分早く起きてみる」「これまでとは少し違う遊びをしてみる」など、できることを少しずつ行いながら、毎日の行動を変えていくものです。
この治療を通して、自分の思考や行動のパターンを見つめ直し、それを改善することで、悩みを解決していく方法を学ぶことが大切です。
薬物治療
環境調整だけでは、改善が見込めない場合には、薬の使用を考えることになります。うつの薬は、脳内の神経伝達物質の量や働きを調整するものです。子供に薬を使うことに、抵抗を感じる人もいるかもしれません。しかし、副作用に注意しながら使えば、なかなか改善しない症状から回復するための大きな力になります。症状が落ち着いても、半年ほどは服薬をつづけることが一般的です。医師の指示どおりに使い続けることが、再発予防にも繋がります。
中学生がうつ病になるのには、いろいろな要因がある。
家庭、学校などの環境要因
生活をともにする家族、多くの時間を過ごす学校、所属する社会全体。取り巻く環境の変化のストレスが「うつ」に陥るきっかけになることがあります。
家庭であれば、両親の不仲、親族の死、虐待。学校であれば、学業不振や転校、いじめ、進級。社会では災害や事故に遭遇する。などがあげられます。災害など防ぎようがないことも少なくないですが、どんなことが問題かを知っていることで、早く対応することができます。
発達障害による要因
背景に発達障害が関係している場合もあります。発達障害に気づかれぬまま育つと、自分と周囲の差を自覚し、同級生からいじめや無視をされるなどがある場合、無力感や孤独感が強まり、うつ病に発展すると考えられています。
セルフチェックシート
うつ病を発症していないか気になる場合は、東邦大学式のチェックリストがおすすめです。
いいえ0点 ときどき1点 しばしば2点 常に3点
ただし、2・4・6・8・10・12の質問に関しては加点しないようにしましょう。
合計得点が
11点以上になるとうつ病を発症する可能性をはらんでいると考えられ、
16点を超えた場合は、すでに抑うつ傾向にあることが予想されます。
計算の結果11点を超えた場合は、うつ病の疑いを持って精神科を受診をおすすめします。
できるだけ早めに病院に相談しましょう
早期発見、早期治療が大切です。セルフチェックリストを参考に、気になる症状がありましたら、ぜひ一度ご相談ください。
博友会は精神科救急医療として「時間外診療」も行っています
平岸病院では休日・祝日を含む365日、時間外診療を実施しております。心の体調が悪い時、医師の診察を受けたい時はお電話いただければ、夜中でも診察させていただきますのでまずはお電話ください。
電話番号:0125-38-8331
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駐車場も完備しておりますので、お車でもお越し頂けます。
まとめ
中学生は、新たな経験をたくさんする時期です。嬉しい、楽しい、辛いなど、感情にたくさん動きがあり、体調にでてしまうこともあります。
他の病気もそうですが、うつ病も軽度の方が治りが早くなります。不安なことや、気になることがあれば、病院を受診し、専門医のアドバイスを元に、環境を変えたり、適切な治療をうけ、日常生活をより穏やかなものにすることは、とても大切なことです。1人で悩まず、早めに精神科の先生に相談してくださいね。
北海道赤平市にある「平岸病院」の外来では精神科、内科、神経内科が受診できます。
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