社会医療法人 博友会

社会医療法人博友会は医療・看護・介護を通して地域に貢献いたします。

認知症治療に使われる薬は主に4種類!それぞれの効果と副作用を解説

認知症治療に使われる薬は主に4種類!それぞれの効果と副作用を解説

認知症の治療は薬物療法とその他の療法を組み合わせて行います。しかし、今まで飲んでいなかった薬を毎日飲むのは怖いですよね。

どんな効果が得られるかわからないがあまり、自己判断で服薬を中止してしまい、認知症が悪化してしまう患者様も少なくありません。

そこで今回は、認知症に使われる薬について解説します。効果から副作用、服用期間と症状に合わせて処方される薬の種類まで紹介しますので、認知症の薬物療法に不安をお持ちの方はご覧ください。

認知症に使われる薬は主に4つ

認知症に使われる薬は主に4つ

認知症に使われる薬は、主に以下の4つです。

  1. アリセプト(AChE阻害薬)
  2. レミニール(AChE阻害薬)
  3. イクセロンパッチ(AChE阻害薬)
  4. メマリー(NMDA受容体拮抗薬)

残念ながら、2023年9月現在では認知症を完治する薬は存在していません。ですが、認知症の薬は進行を遅らせることや精神を落ち着かせることに効果があります。

次の項目からそれぞれの薬の効果と副作用を見ていきましょう。

認知症の薬の効果と副作用

認知症の薬の効果と副作用

ここでは認知症に使われる薬の効果と副作用をそれぞれの薬ごとに見ていきます。

1.アリセプト(塩化ドネペジル)

アルツハイマー型認知症の初期〜中期に使用される薬で、進行を遅らせることができると言われています。また、レビー小体型認知症への治療にも用いられることがある薬です。

アルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症では、「アセチルコリン」という神経伝達物質の減少が確認されています。アリセプトは脳内でのアセチルコリンの濃度を高めて神経伝達を助ける薬で、不足している物質に対して補助をするようなイメージです。

また、認知症の症状の一つでもある記憶障害を緩和する効果も期待できるのもポイントです。

アリセプトの副作用

  • 吐き気
  • 嘔吐
  • 食欲不振
  • 下痢
  • 興奮

アリセプトには脳内のドーパミン量を増加させる作用があります。そのため、興奮することや妄想や幻覚を見る「せん妄」が起きることもあるため、使用の際は周囲のサポートが必要です。

また、心疾患がある方は服用できない薬になります。

2.レミニール(ガランタミン)

アルツハイマー型の軽度〜中程度の治療に使用される薬で、アリセプト同様アセチルコリンの真剣伝達を助ける薬になります。

記憶層がいや見当識障害などの症状を抑え、アルツハイマー型認知症の進行を遅らせる薬になります。

レミニールは使い続けることが重要であるため、自己判断での中止は症状を悪化させる恐れがあります。医師の診断に従いながら服用していきましょう。

レミニールの副作用

  • 吐き気
  • 嘔吐
  • 食欲不振
  • 下痢
  • 腹痛

レミニールでは消化器症状が出ることが多いため、上記のような症状が続く場合は医師に相談しましょう。また、まれに脈拍が遅くなる副作用が起こることもあるため、心臓病のある方は要注意です。

3.イクセロンパッチ(リバスチグミン)

軽度および中程度のアルツハイマー型認知症に使用される薬で、貼り薬になります。そのため、飲み込む力が低下した方でも安心して利用できる薬です。

ただし、過去にシップを利用してかゆみが出た、発疹が出たという方は事前に医師に相談するようにしましょう。

イクセロンパッチの副作用

  • 皮膚症状(赤み、かゆみ)
  • 吐き気
  • 嘔吐
  • 食欲不振
  • 下痢
  • 腹痛

副作用で最も多いのは皮膚症状です。同一の箇所に貼り続けると多く起こるため、毎回貼る場所をずらしながら使用しましょう。

4.メマリー(メマンチン)

メマリーは中度以上のアルツハイマー型認知症に使用されることが多い薬で、精神を落ち着かせる効果を持ちます。

認知症の方はグルタミン酸の量が過剰になっており、グルタミン酸が原因で神経細胞や記憶障害が引き起こされるケースも少なくありません。

メマリーはグルタミン酸の働きを抑え、興奮型の症状を抑える時に使用されます。

メマリーの副作用

  • めまい
  • 頭痛
  • 眠気
  • 便秘
  • 食欲不振

メマリーは特にめまいが起きやすい薬です。高齢者の転倒は骨折のリスクが高く、寝たきりになってしまうと認知症が悪化してしまうことも多々あります。

薬を飲んだ後は安静にする、動く時は必ず誰かが付き添うなど安全面に配慮しましょう。

認知症の薬の服用期間

残念ながら、現在の認知症の薬は進行を遅らせる効果のみです。つまり、認知症の薬は飲み続ける必要があります。症状の変化に伴い薬が変化することや量が変化することはあり、飲む時間帯が変化するといったことはあり得ます。

また、他の症状に合わせて処方される薬があり、詳しくは次の項目で解説しますが、これらの薬はある程度の期間が決まっているものがほとんどです。

その他処方される薬

その他処方される薬

認知症では、先ほど紹介した薬の他に、症状に合わせて以下の薬が処方されることがあります。

  • 抗不安薬
  • 抑うつ薬
  • 抗不安薬
  • 睡眠薬
  • 漢方薬

患者様の身体の状態や回復状況と合わせて処方されるため、必ず専門医にご相談ください。これらの薬は症状が安定したら量が減る、無くなるというケースが多いです。

まとめ

今回は認知症の薬について解説しました。認知症薬を正しく服用することで、進行を抑えられることが多いです。副作用も含め理解し、専門医と相談しながら治療を進めていきましょう。

また、認知症の治療には薬物療法以外にもリハビリテーションや運動療法などご家族のサポートを受けつつ行う治療もあります。詳しくは以下の記事で解説しておりますので、合わせてご覧ください。

また、認知症でお困りの方、疑いのある方は早期受診が悪化を防ぐカギになります。まずはお気軽に受診に来ていただけると幸いです。

博友会は精神科救急医療として「時間外診療」も行っています

博友会は精神科救急医療として「時間外診療」も行っています

平岸病院では休日・祝日を含む365日、時間外診療を実施しております。心の体調が悪い時、医師の診察を受けたい時はお電話いただければ、夜中でも診察させていただきますのでまずはお電話ください。

電話番号:0125-38-8331

アクセス方法:

  • JR
    〔根室本線〕平岸駅下車(徒歩7分)
  • 中央バス
    〔滝芦線〕〔砂芦線〕新光町停留所下車(徒歩1分)
    〔高速ふらの号〕平岸停留所下車(徒歩7分)

駐車場も完備しておりますので、お車でもお越し頂けます。