認知症は未だ原因の解明されていない謎の多い脳の疾患です。
しかし、日本や海外の研究により、認知症の予防に効果があるのではないかと言われている食べ物があります。
そこで今回は、認知症に関する情報を多く発信しているのtが、認知症予防に効果が期待できる食べ物4つを紹介します。
反対に、注意が必要な食べ物についても紹介しているので、食生活を見直す際にぜひご活用ください。
目次
認知症予防に最適な4つの食べ物の種類
ここでは、認知症予防に最適な食事を紹介します。
しかし、それぞれ予防できる認知症の種類が異なる点にご注意ください。
1.青魚(サンマ、アジ、サバなど)
青魚に多く含まれるDHAは、脳の構成成分であり、記憶力・判断力の向上に繋がることから、認知症の予防に効果が期待されています。
また、青魚にはEPAも多く含まれ、EPAには血管を拡張して血行を促進する作用があります。これにより、生活習慣病の予防に繋がり、結果として認知症の予防になると言われています。
2.緑黄色野菜・果物(ホウレン草、ブロッコリー、イチゴなど)
ホウレン草、ブロッコリーなどの野菜やイチゴなどの果物には葉酸が多く含まれており、脳血管性認知症の原因である脳梗塞を抑制する効果が期待されています。
また、アメリカの神経学会は、抗酸化物質の血中濃度が高い人ほど認知症のリスクが低下する、と発表しました。
抗酸化物質はニンジン、カボチャ、ホウレン草、カボチャなどに含まれているため、緑黄色野菜・果物を取ることは認知症のリスク低下に繋がると考えられています。
3.納豆
大豆製品に含まれるイソフラボンにも認知機能や記憶の改善に効果があるとの報告があり、大豆製品は脳に良い食べ物と言われています。
中でも納豆は「ナットウキナーゼ」が含まれており、動物実験でアミロイドβの蓄積を抑制することが報告されています。さらに、血栓を防ぐ効果もあるため脳梗塞などを防げるのも嬉しいポイント。
毎日の食事に納豆を取り入れてみましょう。
4.カレーライス
カレーライスの香辛料であるターメリックにはクルクミンという成分が含まれており、抗酸化作用と抗炎症作用によってアミロイドβを溜まりにくくすると言われています。
シンガポール人を対象とした調査でも、カレーを食べる人は認知症のリスクが少ないという結果が出ているため、カレーは認知症の予防に期待できそうです。
他の食材とも組み合わせやすいため、緑黄色野菜はもちろん、さばカレー、納豆カレーなど日本ならではのアレンジカレーもおすすめです。
オマケ:コーヒー
コーヒーに含まれるカフェインは、認知症予防に繋がると言われています。
新潟大学大学院の研究によると、コーヒーを一日3杯以上飲む人は、飲まない人に比べ約半分の認知症発症率だったという結果が出ました。
同研究では緑茶に関しても調査が行われましたが、コーヒーの方がより顕著に効果が現れたとのこと。
睡眠不足にならないよう、日中にコーヒーを飲むことは効果が期待できそうです。
ですが、認知症予防のための食事には注意点もあります。次の項目で見ていきましょう。
認知症予防の食事の注意点3つ
認知症予防の食事の注意点を3つご紹介します。
1.バランスの良い食事を心がける
今回は認知症予防に効果が期待できる食べ物を紹介しましたが、もちろんそれだけでは健康に害が出ます。
日常の食事に取り入れつつ、バランスの良い食事を心かげてください。特にタンパク質は現代の食事ですと不足しがちなため、お肉やお魚などを積極的に調理するようにしましょう、
2.適切なカロリーや食事量を抑える
適切なカロリーや食事量を守ることも大切です。
肥満になると、アルツハイマー型認知症のリスクが高くなり、高血圧や糖尿病など生活習慣病も併発する可能性が高くなります。
特に脂質・糖質には気を配り、75歳以上の方は以下のカロリー摂取量内に抑えるようにしましょう。
- 男性:1,800〜2,100kcal
- 女性:1,400〜1,650kcal
ただし、カロリー制限を行うと栄養失調になりかねないので、あくまでもしっかりと食事を取った上で完食を控える、一回量を少し減らすといった工夫をするようにしましょう。
3.塩分の取り過ぎに注意
塩分を取り過ぎると、高血圧に繋がります。高血圧は脳梗塞のリスクを高め、脳血管性認知症になる可能性も上げてしまうため注意が必要。
一般的に言われている塩分摂取量は以下の通りです。
- 男性:7.5g未満
- 女性:6.5g未満
ラーメン1杯のスープを飲み干すだけで6gもの塩分になってしまうので、日常生活で特に注意が必要な部分です。
認知症リスクを高める可能性がある食べ物
ここでは、認知症リスクを高める可能性がある食べ物について解説します
ただし、認知症の明確な原因はわかっておらず、あくまでも研究段階で、可能性があるだけという点にご注意ください。
マーガリン
マーガリンにはトランス脂肪酸が多く含まれており、このトランス脂肪酸が認知症との関係があるのではないかと研究がされています。
九州大学大学院医学研究院および神戸大学大学院医学研究科の研究グループは、血中トランス脂肪酸の上昇が認知症発祥に関与する可能性を発表しました。
同研究によると、トランス脂肪酸を過剰摂取した人の認知症発症リスクは最大1.6倍にものぼるとのこと。
毎朝マーガリンを塗ったパンを食べるなど、日常的にトランス脂肪酸を摂り続けることは認知症のリスクを高める可能性があるため注意しましょう。
菓子パン
菓子パンにはグルテンが多く含まれており、体の中で炎症を起こす原因の一つと言われています。
炎症を引き起こすと、脳がダメージを受け、アミロイドβを分泌します。このアミロイドβこそが、アルツハイマー型認知症の原因の一つと考えられている物質なのです。
特に菓子パンは、GI値が高く、アミロイドβを分解するためのインスリン分解酵素を血糖値に対して使ってしまうことになります。
アミロイドβについて詳しくは以下の記事で解説しているので、詳しいメカニズムが知りたい方はご覧ください。
まとめ
今回は認知症予防に期待できる食べ物4つを紹介しました。最後にポイントを振り返りましょう。
- 青魚(サンマ、アジ、サバなど)
- 緑黄色野菜・果物(ホウレン草、ブロッコリー、イチゴなど)
- 納豆
- カレーライス
- バランスの良い食事を心がける
- 適切なカロリーや食事量を抑える
- 塩分の取り過ぎに注意
- マーガリン(トランス脂肪酸を含むもの)
- 菓子パン(グルテンを含むもの)
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