「家族が認知症かもしれない…自宅でできるリハビリがあれば知りたい」
このような悩みは、多くのご家族の方が抱えていらっしゃいます。
そこで今回は、認知症の患者さまと日頃から関わらせていただいている博友会が、認知症のリハビリについて解説します。
具体的な方法だけでなく、リハビリを行う上での注意点も解説しますので、行う前にぜひご一読ください。
目次
認知症のリハビリで得られる効果とは
認知症のリハビリは「非薬物療法」とも呼ばれる、治療の一種として行われるものです。
リハビリで脳や体を動かすことで刺激を与え、判断能力が衰えるスピードを抑制することが一つの目的。
他にも、ご本人の自尊心を向上させる、リラックス効果を得る、充足感を得られるなどメンタル面でも良い影響を与えられます。
また、ご本人だけでなくご家族の方にも負担が軽減できるメリットがあるため、認知症のリハビリは積極的に行うことをおすすめします。
具体的な認知症のリハビリについては、次の項目で見ていきましょう。
認知症のリハビリの種類と、具体的な方法
認知症のリハビリには、以下のような種類があります。
- 認知刺激療法
- 回想法
- 音楽療法
- 運動療法
それぞれ見ていきましょう。
認知刺激療法
認知刺激療法は、様々な活動を通じて脳に適度な刺激を与えることが目的です。
例えば、以下のようなものが認知刺激療法になります。
- 塗り絵
- 習字
- 料理
- かるた
- カラオケ
- 体操
- パークゴルフ
など
認知症のリハビリには社会との繋がりを持ち続けることも大切です。そのため、ご本人の状態が良く意欲があれば料理教室や絵画教室などに参加するのも効果的でしょう。
ただし、症状によっては難しい場合もありますので必ず事前に医師に相談してください。
回想法
認知症は、直近のことを思い出せずとも、過去のことは思い出せることが多いです。
この特徴を活用して行うのが回想法で、過去の記憶を話してもらうことで脳を刺激すると同時に、頭の中を整理してリラックスしてもらう方法になります。
昔のアルバムや、ビデオ、思い出の品などを用意して、思い出しやすい環境を作ることも大切です。
音楽療法
音楽療法は聞くだけでなく、カラオケで歌う、楽器を演奏することも含まれます。音楽を通じて過去の記憶を呼び起こし、リラックスしてもらうことが目的。
進行の予防をするのであれば、歌いながら楽器を演奏するなど、2つの動作を行うと効果的と言われています
運動療法
運動療法は体を動かすことで、脳に刺激を与えると共に筋肉量を維持して寝たきりになることを防ぐことが目的です。
一般的には抑うつ気分にも効果があると言われており、特にウォーキングやジョギング、水泳などの有酸素運動は効果的です。
また、有酸素運動は介護者側の認知症の予防にも繋がるため、一緒に行うと良いでしょう。
ただし、リハビリを行う上での注意点もあります。次の項目で解説しますので、一つひとつ見ていきましょう。
リハビリを行う上での注意点
ここでは、リハビリを行う上での注意点を解説します。
本人の意思を尊重する
いくら脳に良いと言っても、本人がやりたくないことを強制するのはNGです。自尊心を傷つけてしまいます。
「やったことないから…」や「よくわからないから」という理由であれば、ご家族の方が行っている姿を見せることで参加してくれる場合もあります。
無理強いせず、本人がやりたいと思ったタイミングで行うようにしましょう。
ケガには十分注意する
特に有酸素運動をしている時に転倒してしまうと、骨折になり寝たきりになるケースが少なくありません。
寝たきりの状態は脳への刺激が少なく、認知症を悪化させてしまう原因となるため、ケガには十分注意が必要です。
また、運動療法の際は特に疲労具合についても注意が必要。年齢や筋肉量により疲れやすさは変わるため、時おり確認しながら行いましょう。
本人の満足度を重視する
認知症は症状や進行具合にも個人差があるものです。残念ながら、このリハビリをすれば必ず良くなる!と言い切れるものはありません。
あくまでも進行を遅らせること、そして作業を通して自尊心を取り戻したり、充足感を得られることを目的に行いましょう。
ご自宅でのリハビリは、思わぬ壁にぶつかることが多いと思います。そんな時は、病院に相談しましょう。
心配がある時は病院へ相談
病院では、認知症の診断だけでなく、ご家族に対してのアドバイスを行う所が多いです。普段の接し方や、リハビリの方法、困っていることなどがあれば診察の際にお尋ねください。
私たち博友会でも、介護士や看護師、作業療法士などのノウハウをお伝えし、患者さまとご家族がより良い生活を送れるようアドバイスさせていただきます。
認知症のリハビリや、普段の生活でお困りのことがありましたらお気軽にご相談ください。
博友会は精神科救急医療として「時間外診療」も行っています
平岸病院では休日・祝日を含む365日、時間外診療を実施しております。心の体調が悪い時、医師の診察を受けたい時はお電話いただければ、夜中でも診察させていただきますのでまずはお電話ください。
駐車場も完備しておりますので、お車でもお越し頂けます。
まとめ
今回は認知症のリハビリについて解説しました。最後にポイントを振り返りましょう。
- 認知症のリハビリは「非薬物療法」とも呼ばれる治療の一種
- 脳への刺激で進行を遅らせる効果が期待でき、メンタル面にも良い影響を与える
- リハビリの種類は「認知刺激療法」「回想法」「音楽療法」「運動療法」がある
- 注意点は「本人の意思を尊重する」「ケガには十分注意する」「本人の満足度を重視する」
博友会ではこの他にも認知症に関する情報を多く掲載しています。あなたのお悩みに合う内容がありましたら、ぜひご覧ください。