アミロイドβは、近年アルツハイマー型認知症の原因では無いかと考えられている物質で、知らず知らずのうちに脳に溜まってしまいます。
そこで今回は、アミロイドβの減らし方や、溜めないための習慣についてわかりやすく解説します。認知症にならないためにも正しい知識を身につけ、日頃から予防しましょう。
目次
アミロイドβはアルツハイマー型認知症の原因の一つと考えられている
アミロイドβ (Aβ) は、アルツハイマー病の発症に関係があると考えられているタンパク質です。
アミロイドβは通常、脳内で作られ、排除されますが、何らかの原因でアミロイドβが適切に排除されなかった場合、脳内に蓄積します。
蓄積したアミロイドβがアミロイドプラークを形成し、脳細胞の機能を妨げ、最終的にはアルツハイマー病の主な症状である記憶障害や認知機能の低下を引き起こすと考えられています。
アミロイドβが増加する原因:分解・排出能力が低下すること
アミロイドβが増加する明確な原因は解明されていませんが、加齢や遺伝、生活習慣の影響により「正常な分解・排出が正常にできず」結果として蓄積してしまうと考えられています。
さらに厄介なのは、アミロイドβは発症の10〜25年前から蓄積し始めると考えられており、徐々に脳を蝕んでいくものとされていることです。つまり、70歳で認知症を発症するとしたら50代〜60代から既に蓄積し始めている可能性があるのです。
そのため、アミロイドβを溜めないようにするには、早い段階から対処しておく必要があります。
まずは直接的にアミロイドβを減らせる方法について見ていきましょう。
アミロイドβの減らし方
ここでは、アミロイドβを減らす方法を2つ紹介します。
1.コーヒーを飲む
新潟大学医学部医学科の発表によると、コーヒー(カフェイン入り)を1日3カップ以上飲むグループと、飲まないグループに分けた所認知症の発症率は飲むグループの方が低い結果が出ています。
また、コーヒーに含まれる「フェニルインダン」という物質により、アミロイドβが集まり大きくなることを防ぐ可能性があるとアメリカの研究で発表されています。
つまり、コーヒーを日常的に飲む習慣がある人は、アミロイドβ、ひいてはアルツハイマー型認知症のリスク低下が期待できるという結果です。
2.良質な睡眠を取る
睡眠中は、脳の老廃物が洗い流されます。この老廃物の中に、アミロイドβも含まれているため、良質な睡眠を取ることでアミロイドβの蓄積を防げます。
適切な睡眠時間には個人差がありますが、一般的には6〜7時間とることが目安とされています。
もしあなたが睡眠不足なら、アミロイドβを溜めてしまうリスクが上がるため注意しましょう。
次に、アミロイドβを溜めないために習慣化したいことについて解説します。
アミロイドβを溜めないためにやりたい3つのこと
アミロイドβは日常の習慣に強い影響を受けます。つまり、良い習慣を身につければアミロイドβを溜めにくい環境を作れるということ。
ここでは、アミロイドβを溜めないために習慣化したい3つのことを解説します。
1.生活習慣病(特に糖尿病)を予防する
特に2型糖尿病はアミロイドβとの関係が深いため注意が必要です。
理由は以下の通り。
- 正常な状態では、インスリン分解酵素がインスリンとアミロイドβを分解する
- 糖尿病になるとインスリンの量が増える
- インスリン分解酵素の多くがインスリンに当てられ、アミロイドβが分解されない
- アミロイドβが溜まってしまう
特に食事には注意が必要で、白米でなく玄米を食べる、糖分の多い間食は控えるなど、日常的に気を使っていきましょう。
2.血糖値を上げない食事を心がける
血糖値が高い状態が続くと、体全体に炎症反応を引き起こす可能性が上がります。炎症が起きると、アミロイドβが増加すると考えられており、血糖値を高くする食事法は控える方がベターです。
具体的には以下のことに注意しましょう。
- 1日3食しっかり食べる
- 野菜を先に食べる
- 間食はヨーグルトや無塩ナッツなどにする
3.適度な運動をする
運動訓練がアミロイドβの蓄積を抑制するという
特に有酸素運動は良いとされており、糖尿病や高血圧なども予防できるため、結果としてアミロイドβやアルツハイマー型認知症の予防に繋がります。
目安としては、1週間の合計運動時間が150分以上が良いとされています。運動と言っても、ハードなものでなくウォーキングやジョギングでも効果があるとされています。
まとめ
今回はアミロイドβについて解説しました。最後にポイントを振り返りましょう。
- アミロイドβはアルツハイマー型認知症の原因の一つと考えられている
- アミロイドβが増加する原因は分解・排出が正常にできなくなることと考えられている
- アミロイドβを減らすには「コーヒーを飲む」「良質な睡眠を取る」
- アミロイドβを溜めないために「生活習慣病(特に糖尿病)予防」「血糖値を上げない食事」「適度な運動」を心がける
アミロイドβが蓄積してしまうと、アルツハイマー型認知症の症状が出る場合があります。20代や30代でも「若年性アルツハイマー型認知症」を発症する恐れもありますので、それぞれの知識もつけておきましょう。
アルツハイマー型認知症(65歳以上の方)
若年性アルツハイマー(18歳〜64歳の方)
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