ご家族の方から多く寄せられる質問に以下のようなものがあります。
「身内に認知症の可能性があるけれど、なんとか予防できないだろうか?」
今回は、認知症予防のための5つのポイントと具体的な内容をそれぞれ紹介します。
認知症を予防することは介護の負担を軽減することにも繋がりますので、まずは知識をつけていきましょう。
目次
認知症の予防のための5つのポイントと具体的な行動
認知症予防のためのポイントは5つあります。
- 食生活を見直す
- 有酸素運動をする
- 社会との接点を持つ
- 認知機能トレーニングを行う
- 禁煙する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1.食生活を見直す
食生活の栄養バランスを見直すことは、認知症予防にとって重要なことです。特にタンパク質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラルの栄養バランスを取ることが大切であり、中でもタンパク質は不足しがちなので注意しましょう。
具体的には、以下のような食材がおすすめです。
タンパク質 | 肉、魚、豆、卵、乳製品など |
---|---|
脂質 | オリーブオイル、ナッツ、種子など |
炭水化物 | 米、パン、麺、シリアルなど |
ビタミン・ミネラル | 緑黄色野菜、果実類(フルーツ) |
認知症予防に期待できる食事について詳しくは、以下の記事で解説しています。日常生活の食事を見直す際にぜひご覧ください。
2.有酸素運動(ウォーキング、水泳など)を行う
有酸素運動は、認知症予防に繋がることが近年の研究で明らかになっています。適度な運動をすることで、脳の血流を増加させることで認知機能に良い影響を与えるとされています。
高齢者の場合はウォーキングや水泳など、体への負担が少ない有酸素運動を取り入れるようにしましょう。
3.社会との接点を持ち、積極的にコミュニケーションをとる
海外の研究により、社会的に活発であることは、認知症のリスクを著しく減少させる可能性があると言われています。
具体的には、ボランティア活動やレクリエーションに参加したり、友人と話す機会を増やしたり、学習講座で新しいことに挑戦したりするなどです。社会との接点を多く持つことが、予防に繋がると言われています。
4.認知機能トレーニングを行う
日頃から脳を使う習慣を取り入れることで、認知症予防に繋げるためのトレーニングです。身近なものですと、塗り絵や料理なども認知機能トレーニングの一つと言えます。
本人が好きであれば、絵画教室や料理教室に通うと認知機能トレーニングと社会的活動の両方を一気に行えるためより有効な認知症予防と言えるでしょう。
5.禁煙する
喫煙すると、血管の健康に悪影響を与え脳への血流が低下、結果として認知機能の低下や認知症の発症に繋がるリスクが高いという研究が海外で発表されています。
禁煙は特に時間のかかる予防ですので、若い頃から意識して減らしていきましょう。
認知症予防を始めるのは何歳から?
一般的には、認知症予防を始めるのは40歳からが良いとされています。
しかし、食生活や運動習慣はすぐに身に付くものではないため、20〜30代のうちから習慣化させておくと、結果的に認知症予防にも繋げられます。
特にタバコについては禁煙外来に通うなどやめるまでに長い期間がかかることが一般的です。今始められるところから少しずつ取り組み、生活習慣を改善していきましょう。
まとめ
今回は認知症予防について解説しました。最後にポイントを振り返りましょう。
- 食生活を見直す
- 有酸素運動(ウォーキング、水泳など)を行う
- 社会との接点を持ち、積極的にコミュニケーションをとる
- 認知機能トレーニングを行う
- 禁煙する
近くの方で「認知症かも?」と思われる方がいらっしゃいましたら予防方法を試すだけでなく一度専門医にご相談ください。
万が一既に認知症だった場合、早めの発見により症状の進行を遅らせることや、負担の少ない介護に繋がります。
また、認知症への正しい理解も悪化させないために大切なことです。認知症については以下の記事で噛み砕いて説明しておりますので、あわせてご覧ください。
私たち博友会でも、多くの認知症患者さまと関わらせていただいており、診断はもちろん日常の介護につきましてもアドバイスさせていただきますので、認知症に関することでお悩みのことがあればご来院ください。
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