社会医療法人 博友会

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うつ病とは?特徴や症状、診断の基準や治療方法、具体的な回復のケースを徹底解説

うつ病とは?特徴や症状、診断の基準や治療方法、具体的な回復のケースを徹底解説

「最近うつ病っぽいけど、どうなんだろう…正直、うつ病のことよくわかってないや」

あなたがこのような悩みを抱えているなら、回復のためのお手伝いをさせてください。今回は、うつ病の特徴や分類から、症状、診断や治療方法と具体的な回復のケースまで解説させていただきます。

もしあなたが悩んでいるならお役に立てる情報があるかと思いますので、参考にしていただけると幸いです。

うつ病の特徴と分類

うつ病は気分障害の一種であり、発症の原因は不明。日本人の100人に約6人がかかる病気です。

うつ病は大きく以下の5種類に分類されます。

  • メランコリー型うつ病
  • 非定型うつ病(通称:新型うつ病)
  • 季節型うつ病
  • 産後うつ
  • 仮面うつ病(正式な診断名ではない)

今回は、この中でも最も多い「メランコリー型うつ病」を中心に解説させていただきます。

その他の種類が気になる方は、以下の記事をご覧ください。

次は、うつ病の代表的な症状を見ていきましょう。

うつ病の症状:「精神症状」と「身体症状」

うつ病の症状:「精神症状」と「身体症状」

うつ病には大きく「精神症状」と「身体症状」があります。それぞれ見ていきましょう。

精神症状

  • 不安・焦り・イライラする
  • 気分が落ち込む
  • 物事に意欲・関心が無くなる
  • 口数が少なくなる
  • 服装や髪など容姿に気を配れなくなる
  • 仕事でのミスが増える

など

身体症状

  • 食欲不振・過食
  • 性的関心や欲求が極端に落ちる
  • 睡眠障害(不眠・仮眠)
  • めまい
  • 肩こり
  • 頭痛・耳鳴り・めまい

など

上記の症状が、どのような行動に現れるかは以下の記事で解説しています。参考にしていただけると幸いです。

うつ病の診断について

うつ病の診断は、DSM-5というものが使用されることが多いです。DSM-5には9つの項目があり、5つ以上当てはまるとうつ病と診断されます。

9つの項目を噛み砕いて説明すると以下の通りです。

  1. ほとんど毎日気分がとても落ち込んでいる
  2. ほとんど毎日何に対しても関心がなく、喜びを感じない
  3. ほとんど毎日食欲がない、もしくは食べ過ぎる
  4. ほとんど毎日眠れない
  5. ほとんど毎日動きが鈍く、イライラしやすい、落ち着かない
  6. ほとんど毎日疲れやすい、やる気が出ない
  7. ほとんど毎日自分に価値がないと感じる、自分を責めてしまう
  8. ほとんど毎日集中力が低い、決断ができない
  9. 自傷や自殺を考えてしまう

この中でも重要とされる症状が1番の「ほとんど毎日気分がとても落ち込んでいる」と、2番の「ほとんど毎日何に対しても興味がなく喜びを感じない」です。

この2つが当てはまった上で、他のものが3つ以上当てはまるとうつ病の可能性があると言えます。ただし、これはあくまでベースの判断基準であり、実際には医師が総合的に症状・状況を加味してうつ病かどうかを診断します。

この表を見て自己判断するのは危険です。「うつ病だと思っていたけれど、双極性障害だった」となれば治療法も変わります。

また、インターネット上でのチェックはあくまで目安のため、「うつ病かも?」と思ったら専門医に相談するようにしましょう。

うつ病の治療方法

うつ病の治療方法

うつ病の治療は、大きく4つの方法で行われます。

  1. 休養
  2. 環境調整
  3. 薬物治療
  4. 精神療法

一つひとつ見ていきましょう。

休養

十分な休養を取ることはうつ病の治療で最も大切なことの一つです。うつ病になると睡眠障害が起きるなど、精神だけでなく身体へのダメージも多くなります。

治療の第一歩として休養し、体調とメンタルのバランスが整い始めてから他の治療を行っていきます。

環境調整

環境調整は休養のための調整です。例えば、家事で忙しいなら皿洗いはパートナーにやってもらう、晩御飯は作ってもらう。仕事が原因でうつ病になったのなら休職して休める環境を作るなど。

以前の環境のままだと、うつ病の再発リスクも上がるため、まずは十分に休養を取って、今できる範囲で無理なく活動することが大切です。

薬物治療

うつ病では薬物療法も行います。大きな種類は以下の通り。

  • 抗うつ薬:うつ病の症状を抑える薬
  • 抗不安薬:不安や緊張を和らげる薬
  • 睡眠導入薬:眠りやすくする薬
  • 気分安定薬:気分の波を抑える薬
  • 非定型抗精神病薬:抗うつ薬の効きが弱い時に補助する薬

上記の薬を症状に合わせて取捨選択しながら医師が決定します。

精神療法

精神療法は、うつ病後の生活を見越した治療です。考え方のクセや、ストレスへの対処法などを体感しながら学ぶ方法で、主に「認知行動療法」と「対人関係療法」が行われます。

認知行動療法

認知行動療法は、困難にぶつかった時の考え方のクセや、悲観的な考え方を改善することでマイナス思考から脱却するための治療法です。

対人関係療法

対人関係療法は、うつ病の原因となった対人関係の問題を解消するために行う方法で、ストレスを軽減する目的もあります。対人関係能力がうつ病前まで戻った、向上した場合は周囲からのサポートをさらに受けやすくなります。

うつ病から回復する流れ

うつ病から回復する流れ

ここではうつ病の回復過程について話していきます。中々イメージがつきにくい部分かと思いますが、見ていきましょう。

うつ病の回復までのプロセスは大きく4つあります。

  1. 初期
  2. 急性期
  3. 回復期
  4. 再発予防期

それぞれ見ていきましょう。

初期

1日の中で気分のアップダウンが激しい時期です。イライラしている、怒りっぽいなどの症状が出やすいことが特徴で、周りに怒鳴ってしまったり、冷たい態度を取ってしまうこともあります。

急性期

心が限界を迎える、もしくは休める環境になった場合、緊張の糸が切れ、一旦気分が沈みます。ここの急性期で大切なのは無理をせず、薬を飲み続けること。

薬を正しく飲めば、落ち込む度合いが軽くなり、急性期の期間も短くなります。一般的にはこの急性期が3〜6ヶ月続き、徐々に回復していきます。

回復期

回復期は、今まで眠れなかった分多く眠るようになります。1日15時間眠ることも珍しくなく、不安に感じる患者様も多いです。

しかし、この期間の睡眠時間の長さは回復している証なので、休める時に多く休むという気持ちで治療を続けていきます。脳は臓器であるため、寝ると自然回復していきます。

回復期の後期になって初めて、認知行動療法、対人関係療法を行なっていきます。

また、7〜8割の回復が確認できたら復職準備を始めていきます。

再発予防期

再発予防期は、社会復帰をしてうつ病が悪化しない、再発しないように整えていく時期です。

抗うつ薬は飲み続ける必要があり、初めての場合は「4〜9ヶ月」、再発の場合は「1〜3年」の期間飲む必要があります。

再発予防期に入ると、すっかり回復したように感じて、通院を自己判断でやめてしまう方が多いです。しかし、この時期に通院をやめるとうつ病が再発するケースが多く、うつ病が再発しやすいと言われている理由の一つです。

通院は医師から「通院無しで様子を見ましょう」と言われるまで続けていきましょう。

博友会ができる3つのこと

博友会ができる3つのこと

私たち博友会ができることは、大きく3つあります。

  1. 専門医・スタッフによるサポート
  2. 時間外診療の対応
  3. 暖かい環境での休養

それぞれ説明させてください。

1.専門医・スタッフによるサポート

博友会には精神科医・ベテランの精神科看護師、看護助手が多数在籍しています。

「こんなこと相談したらダメだよな…」と思った時でも、遠慮なくご相談ください。プロの視点で寄り添い、あなたの悩みを解決すべくサポートさせていただきます。

2.時間外診療の対応

もし夜中に強い不安に襲われた、何もかも嫌になった時は迷わずご相談ください。博友会では時間外診療を行っており、夜中でも朝方でも医師が診療できる体制を整えています。

まずはお電話いただいて、症状などを伺った上でご来院いただくことがスムーズな流れですが、そんな余裕が無い!という時は病院のインターホンを直接鳴らしてください。

2.時間外診療の対応

3.暖かい環境での休養

博友会では、患者様はもちろんスタッフの人間関係も大切にしています。医師や看護師はもちろん、患者様と直接関わる機会の多い看護助手の補助にも力を入れ、心に余裕を持って暖かく患者様と関われる環境を作っています。

今苦しい気持ちを抱えている、何から始めればいいかわからないけど、とにかく辛い。そんな悩みを抱えている方は、博友会にご相談ください。全力でサポートさせていただきます。

まとめ

今回はうつ病について解説させていただきました。最後にポイントを振り返りましょう。

うつ病の特徴
  • うつ病は気分障害の一種であり、発症の原因は不明。日本人の100人に約6人がかかる病気
  • 大きく5種類あり、「メランコリー型うつ病」が最も多い
  • うつ病には「精神症状」と「身体症状」がある
  • 自己診断は危険なので、うつ病の疑いがあるなら必ず専門医に相談する
  • うつ病の治療は「休養」「環境調整」「薬物治療」「精神療法」で行われる
  • うつ病から回復するには4つのプロセスがあり、焦らないことが大切

もしあなたが苦しんでいるなら、博友会にご相談ください。

博友会は精神科救急医療として「時間外診療」も行っています

博友会は精神科救急医療として「時間外診療」も行っています

平岸病院では休日・祝日を含む365日、時間外診療を実施しております。心の体調が悪い時、医師の診察を受けたい時はお電話いただければ、夜中でも診察させていただきますのでまずはお電話ください。

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