「復職が怖い…またうつ病が再発するんじゃないだろうか…ちゃんと働けるかな…」
考えれば考えるほどモヤモヤしてしまい、辛いですよね。そんなあなたに、少しでも気持ちが楽になって欲しくてこの記事を書かせていただきました。
復職の際に怖さ・不安を抱える人の気持ちが楽になる具体的な方法を紹介させていただきます。
共通して言える大切なポイントは復職を焦らないことです。職場に戻った後に再発や再休職にならないよう心身共に準備を整えた上で復職しましょう。
それではまず、怖さ・不安を整理する方法からご紹介します。
目次
復職が怖い・不安だと思う要素を整理する
うつ病が治癒してきたら、復職時に「怖い・不安」に感じていることを書き出してみましょう。紙に書くことで、気持ちが落ち着くだけでなく具体的な解決策も見えてきます。
まずは、整理したいポイントを紹介させてください。
ポイント1:何が怖い・不安かを書き出す
自分だけが見る紙なので、素直な気持ちで何が怖いかを書き出していきましょう。客観的に自分の考えを見ることで、「意外と解決できそうだな」と思える悩みもあります。
ポイント2:何が負担だったかを書き出す
休職前、何が負担だったかを書き出しましょう。例えば、「残業が多かった」「責任ある仕事が多く、抱えきれなかった」「人間関係でトラブルがあった」など。
これは気持ちの整理だけでなく、産業医や上司との面談の際、復職後どういった勤務をしたいか説明する時にも役立ちます。
ポイント3:準備はほどほどにする
復職直前は特に不安になりやすい時期です。そこで、準備は以下の3点に絞りましょう。
- 業務内容を整理する
- 朝起きてから会社に着くまでの通勤イメージを持つ
- 必要な持ち物をチェックする
まずは出社できるだけで◎です。「あれもこれもやらなきゃ!」と思わず、リラックスしながら復職の日を待ちましょう。
復職後に無理をしないための働き方
ここでは、復職後に無理をしないための働き方の一例を紹介させていただきます。
会社ごとに規則や業務内容の柔軟性が異なりますので、事前に確認しておくことは大切です。
リモート勤務
緊張感の強い職場ではなく、落ち着ける自宅で作業する方法がリモート勤務です。
勤務時間内は体調を見ながら勤務をし、休憩時間にすぐ横になったり別の部屋で気分転換できるなど、柔軟性の高い環境を得ることができます。
環境の変化は強いストレスになりますので、まずは変化の少ないリモート勤務で復職していくことがオススメです。
時短勤務
最初からフルタイムで働くことは、復職したばかりの方には心身ともに負担がかかりやすいといえます。
そこで、1ヶ月目は午前中のみの勤務、2ヶ月目は15時までの勤務、3ヶ月目にはフルタイムを目指す、といった具合に時短勤務を取り入れながら完全復職を目指す方法もあります。
業務サポートの配置
休職前は一人で行っていた作業も、復帰してしばらくの間は心身にかかる負担が大きくなりやすいといえます。
そこで、サポートしてくれるスタッフをつけてもらい、手助けしてもらいながら徐々に元通りの力を発揮していけるよう、ゆっくり前進していける環境を整えてもらうことも大切です。
いざ職場復帰に向けて事前準備を
さて、心の準備と職場の準備を考えたところで、次は体の準備をしていきましょう。
生活リズムを休職前に戻す
うつ病が回復してきてまずやりたいことは、生活リズムを休職前に戻すことです。具体的には寝る時間と起きる時間を徐々に戻していきます。
まずは休職前に出勤した頃と近い時間に起きて、散歩や図書館などに行き、徐々に日中の活動時間を増やしていきましょう。
この時も焦らず、疲れたら休むなど、徐々に体力を回復させていくことが大切です。
復職の意思を主治医に伝えて相談する
カウンセリングの際、主治医に復職したいことを相談しましょう。医師の専門的な知識と、客観的な目で判断してくれるので、安心して復職できます。
また、病院によっては「リワークプログラム」を設けている病院も。リワークプログラムとは、復職に向けたリハビリです。通院している病院にリワークプログラムがある場合は利用してみましょう。
勤務にあたるだけの体力はあるか確認する
心の面だけでなく、体力面でも回復できているか確認することも大切です。こちらも基本的には医師に相談しながら行うことになります。
自分で見るポイントとしては以下の2点。
- 起床時間が通勤に間に合う時間になっている
- 起きた時疲れが残っていない
これを2週間程度確認していきます。
主治医の説明のために、記録をつけておくことも有効です。
復職後に再発しないために気をつけること
せっかく復職できるまで回復したのに、職場で再発してしまっては苦しい思いをします。そこで、復職後に再発しないように気をつけることを2点お伝えさせてください。
- 治療は継続する
- 周りへの理解を深め、できる限り無理はしない
治療は継続すること
うつ病が回復してくると、薬を飲む必要が無いように思えてしまいます。しかし、ここに再発の落とし穴があるんです。
うつ病の患者さんに多いのは、自己判断で服薬や通院をやめてしまうこと。そして、自己判断で服薬や通院をやめた方々の再発率は、治療を継続している方と比べ高いです。
面倒に感じることや、忘れてしまうことがあるかもしれませんが、服薬と通院は継続して行いましょう。
周りへの理解を深め、できる限り無理せず勤務する
復職後、いきなりフルタイムでバリバリ働く!というのは難しいものです。
会社の理解が得られるなら「試し出勤」や、「時短勤務」、「フレックスタイム制」などを利用し徐々に体と心を慣らしていきましょう。
ここでも焦りは禁物。徐々に、ゆっくりと復職していきます。
復職の具体例については、次の項目でお話しします。
参考にしたい!実際にうつ病から復職した人
実際にうつ病から復職した人の例を見ることで、気持ちが楽になることもあります。
「復職に成功したエッセイ」は理解しやすく勇気をもらえる
うつ病から復職した方のエッセイ漫画は理解しやすく、勇気をもらえます。最近では書店に並んでいる他、Twitterなどで公開されている方も多く「うつ病マンガ 復職」と検索すると多くのエッセイを読むことができます。
厚生労働省が公開する復職例
厚生労働省からも、うつ病の復職例が公開されています。こちらは文章になるので、マンガよりも活字が好きな方にオススメです。
[事例2-1] 職場復帰をあせらないことが良い結果を生んだうつ病の事例まとめ
今回は復職について怖い・不安だと感じている方に向け、少しでも楽になる方法をご紹介させていただきました。最後にポイントを振り返りましょう。
- まずは復職を焦らないことが大切
- 怖い・不安だと思う要素を書き出して整理する
- 復職後に無理をしないためにリモート勤務や時短勤務ができないか相談する
- 事前準備は「生活リズムを戻す」「復職の意思を主治医に伝える」「勤務にあたる体力があるかを確認する」ことが大切
- 復職後に再発しないため「治療は続ける」「周りに理解してもらい、無理なく働く」ことに注意する
- 復職した人のエッセイや例は元気と勇気がもらえる
あなたの復職が成功することを願っております。もしどうしても不安が強い、何をすれば良いかわからないという方はお気軽に私たち「博友会」にご相談ください。
社会医療法人博友会は「精神科救急医療」体制が整っております。
平岸病院では休日・祝日を含む365日、時間外診療を実施しております。
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