目次
はじめに
統合失調症や双極性障害にも効果を期待できる非定型抗精神病薬クエチアピン(セロクエル・ビプレッソ)は、現在では数多くのジェネリック品が供給されている薬である。陽性症状にはあまり効果を見込めないため注意が必要である。
非定型抗精神病薬クエチアピン(セロクエル・ビプレッソ)とは?
画像:沢井製薬
セロトニン受容体とドーパミン受容体を主体に神経伝達物質の受容体に作用する非定型抗精神病薬クエチアピン(セロクエル・ビプレッソ)は、統合失調症や双極性障害におけるうつ症状に改善効果を期待できる第2世代抗精神病薬である。
神経の興奮や不安感を鎮め、再発を予防する効果を見込めるが、混乱や妄想などの陽性症状にはほとんど効果を期待できない。
非定型抗精神病薬クエチアピン(セロクエル・ビプレッソ)の効用・作用
①興奮・不安感・気持ちの停滞を和らげる
うつ・躁うつにも効用がある非定型抗精神病薬クエチアピン(セロクエル・ビプレッソ)は、気持ちの高ぶり・不安感を鎮めることができる。
②統合失調症に効果がある
非定型抗精神病薬クエチアピン(セロクエル・ビプレッソ)は、ドーパミンとセロトニンという2つの神経伝達物質脳に作用し、情報伝達系の不調を改善する。統合失調症の陽性症状(幻覚、妄想、興奮)および陰性症状(無感情、意欲低下、自閉)に効果あり。
非定型抗精神病薬クエチアピン(セロクエル・ビプレッソ)のジェネリック製品は?
先発品には「セロクエル」(アステラス製薬)があり、後発品には以下のようなものがあります。
■クエチアピン錠12.5mg「MEEK」(小林化工)
■クエチアピン錠12.5mg「アメル」(共和薬品)
■クエチアピン錠12.5mg「明治」(MeijiSeikaファルマ)
■クエチアピン錠25mg「AA」(あすか製薬)
■クエチアピン錠25mg「DSEP」(第一三共エスファ)
■クエチアピン錠25mg「EE」(高田製薬)
■クエチアピン錠25mg「サワイ」(沢井製薬)
■クエチアピン錠25mg「テバ」(武田テバ薬品)
■クエチアピン錠25mg「ヨシトミ」(ニプロESファーマ)
■クエチアピン錠25mg「三和」(シオノケミカル)
■クエチアピン錠25mg「日医工」(日医工)
■クエチアピン錠25mg「日新」(日新製薬)
■クエチアピン錠25mg「FFP」(共創未来ファーマ)
など
非定型抗精神病薬クエチアピン(セロクエル・ビプレッソ)の併用時の注意点は?
脳の神経伝達物質に作用するタイプの他の薬と非定型抗精神病薬クエチアピン(セロクエル・ビプレッソ)を併用すると、薬の効果が強まってしまうリスクがあるため注意。
また、マクロライド系抗生物質やアゾール系抗真菌など併用すると、非定型抗精神病薬クエチアピン(セロクエル・ビプレッソ)の血中濃度が上昇することもある。併用する際は医師と相談のうえ、容量を減らすなどの工夫が必要である。
一方、てんかんの薬や結核の薬のリファンピシンと併用すると、非定型抗精神病薬クエチアピン(セロクエル・ビプレッソ)の作用が弱まる可能性がある。
非定型抗精神病薬クエチアピン(セロクエル・ビプレッソ)の副作用は?
■主な副作用
眠気、めまい、立ちくらみ、口の渇き、便秘、高血糖、体重増加、神経過敏など
■重大な副作用
容量用法を守っている限り、めったなことでは重大な副作用を引き起こすことはないが、悪性症候群(異常な発汗、身体のふるえ、急に黙り込む、意識障害)やセロトニン症候群(そわそわ、イライラ、不安、興奮、めまい)などの副作用を引き起こすこともある。
また、「口がけいれんする」「舌がふるえる」といった「遅発性ジスキネジア」や発疹・水ぶくれ・目の充血などの症状があらわれることも。
非定型抗精神病薬クエチアピン(セロクエル・ビプレッソ)を服用してはいけない人・注意すべき人
【使用できない】
糖尿病のある人。
【慎重な服用が推奨される】
糖尿病家系、高血糖、肥満の人。
【服用に注意】
肝臓の悪い人、低血圧の人、脳血管障害、心臓病の人、てんかん、高齢者、自殺願望のある人。
【医師と相談のうえで服用】
24歳以下の人は思わぬ副作用を起こす可能性がある。
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