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メンタル不調のときにまず食べるべき最強で手軽な「うつぬけ食材」
メンタルの不調を食事で改善する方法はあるのか。分子整合栄養学に詳しい佐藤智春氏は「メンタルの不調の要因に、脳のための材料が不足しているのではと考える。そのため脳の材料として最も優秀な食材である『卵』を食べるといい」という——。
■うつ病は脳のエネルギーが欠乏した状態
新型コロナウイルスは経済に大打撃を与えました。そのストレスから「コロナうつ」と呼ばれる症状に悩む人が増えています。「コロナうつ」という病名はなく、はっきりした定義もありません。コロナ禍のストレスや気分の低下状態を指して、マスコミが作った表現のようです。
■脳は何でできているのか
脳のエネルギーといえば、多くの人が糖質と答えるのではないでしょうか? 実は、むしろ糖質を過剰に摂ることで低血糖症状からうつ症状をおこす人が少なくないのです。
糖質を過剰摂取すると血糖値の急激な乱高下が起こり、集中力が途切れ、切れやすくなったり、急に眠気がさしたり、日常の仕事やパフォーマンスに支障をきたしたりします。
脳は水分を除くと約40%がたんぱく質、約60%が脂質でできています。その脂質の約50%がコレステロール、25%がリン脂質、25%がドコサヘキサエン酸(オメガ3脂肪酸)です。
脳の構成材料すべての栄養素を含むのが、卵です。特に、たんぱく質は量より「質」が重要とされていますが、卵は口から毎日とらなければならない必須アミノ酸(たんぱく質の材料)がパーフェクトに含まれる、脳にとっても人体にとっても必須の食材といえるでしょう。さらに、卵黄の脂質には脳にとって必要なコレステロールとリン脂質とオメガ3脂肪酸がバランスよく含まれています。
■「コレステロール=悪」という誤解
栄養学の言葉は、ギリシャ語が語源になっているものが数多くあります。たんぱく質であるプロテインは「一番大切な物」という意味を持ち、リン脂質の一種、レシチンは「黄卵」を意味します。
レシチンはマヨネーズの乳化にも活用される天然の乳化剤です。体内で水と油をなじませる役目があり、余分なコレステロールを排泄する働きがあることも分かっています。
コレステロールやレシチンは神経系のシグナル伝達に関与し、記憶、認知の機能の向上を助けます。特に、レシチンは神経伝達物質であるアセチルコリンのもとにもなるため、メンタルダウンかなと感じた方は意識的にそれを含む食品の摂取は必要です。
過去には「コレステロール=悪」という誤解がありました。1913年、ロシアの病理学者ニコライ・アニチコワがうさぎに酸化コレステロールを投与し、動脈硬化を発症させたことからコレステロールが問題視されたのです。しかし、うさぎは草食動物で、そもそも、コレステロールを分解ができないため、そのような結果になるのは当然です。実験自体に疑問を呈するドクターがいなかったのが不思議ですが、それが卵が悪者になった原因でした。
■コレステロールが低いと抑うつ度が高い
血清コレステロールと心の健康度の関連についての研究があります。
この研究は、50歳以上の男性約1000名を対象に、血清コレステロールと抑うつ度の関係について分析しています。集団全体を総コレステロール低い群、標準群、境界群、高い群に分け、抑うつ度を比較すると、「低い群」が他の3つの群に比べかなりの差をもって抑うつ度が高い。
そして、この傾向は50歳代以降、80歳代まですべての年齢階級で認められ、高い年齢階級ほどその差が大きいことがわかっています。抑うつ度に影響を及ぼす年齢、健康状態、身体機能の影響を加味しても、低コレステロール値であることが抑うつ度を高めていることを示しています。
■自殺行動との関係もある
さらに、つい最近ではうつ病患者を自殺未遂行為の有無別に分け、血清コレステロールを比較した研究が発表されました。このデータは、うつ病患者のなかでも自殺行動を実際に起こした患者は、そうでない患者より血清総コレステロールが低いことを示しています。
これらの結果は、血清総コレステロール値が低いと心の健康度も低く、その水準値は自殺行動のリスクまで反映しているのかもしれないことを示しています。
■毎日卵を10個食べ、体調不良から回復
本来、コレステロールは8割が自分の肝臓で作られ、食事でとり入れられるコレステロールは2割程度。食事で多くとっても血液中のコレステロールは肝臓でコントロールされるので、健常者であれば、それほど心配することではありません。
2015年より、コレステロールの摂取量に関して基準が撤廃されました。「コレステロールを含む食品を減らしても、血中コレステロール値が低下するという明確な証拠がない」ことが理由です。
私が働きすぎで体調不良になった25年前、肉・魚などのたんぱく質はまったく食べられず39kgまで体重が落ちました。そのとき、整体師に勧められたのが、毎日卵を10個食べることでした。それを1年間実行した結果、復活しました。その後学んだ分子栄養学で、卵が筋肉や脳内物質の材料となったことが理論的に裏付けされました。元気になった今も、毎日3〜4個は欠かさず食べています。
もし、自分が落ち込みやすくなったと感じたら、自分の脳の栄養素が足りているか見直すチャンスかもしれません。リモートワークや外出自粛で、おにぎりや、カップ麵、パンなど炭水化物に偏った食事を済ませる人は要注意です。炭水化物だけの食事にはくれぐれも気をつけてくださいね。
良質な脂質とたんぱく質、特に、抗うつ作用や記憶学習の改善のほかにセロトニンの原料になるアミノ酸「トリプトファン」も含む卵は、脳の栄養不足を助けるキー食材であり、パーフェクトな「うつぬけ食材」の代表といえます。
プレジデント社より
緊急事態宣言で我が子がピンチ!? コロナ禍のロックダウンで子どものうつ病が増加との研究発表
いまだ収束しない新型コロナウイルスの感染拡大。菅首相は再度の緊急事態宣言の発令に否定的である一方、ヨーロッパ各国では春に続き、再びロックダウン(都市封鎖)の措置が取られている。
そのような状況の中、ロックダウンが子どものメンタルヘルスへ及ぼす影響について、深刻に受け止めるべき研究結果が、12月9日付の医学雑誌『Archives of Disease in Childhood』に発表された。
子どもの孤独がうつ病に影響
英国ケンブリッジ大学の医学研究審議会の脳認知科学の研究チームは、8歳から12歳の子ども168人を対象に、イギリスのロックダウン前とロックダウン中に彼らの精神障害、不安、うつ病の症状の変化についての評価データを調査。その結果、新型コロナウイルスによるロックダウンによって、子どものうつ病の割合が上昇していることが判明。
これは、子どもの年齢、性別、家族の裕福さと無関係だった。一方、精神障害、不安は有意な変化が見られなかった。この結果に、「子どもの孤独」がうつ病と関連していることがわかったという。ロックダウンによって、友だちと遊んだり、外に出て楽しい活動をしたりという機会が奪われたことで、孤独感が助長されているのだと言える。
青年期のメンタルヘルスはより一層悪化
今回の研究のダンカン・アストル博士は「子ども時代は、仲間との交流や孤独感の低下に対して、メンタルヘルスが特に脆弱な時期です。学校が再開した今、子どもたちの幸福、社会化、楽しむことはとても重要です。教師はさまざまな取り組みで、気分が落ち込んでいる子どもたちを手助けする必要があるでしょう」と述べている。
また、「青年期のメンタルへルスのサポートは、ロックダウン以前でさえ十分とは言えませんでした。我々の研究は、ロックダウンによって子どもたちのメンタルヘルスがより一層悪化する可能性があることを示唆しています。教育の分野が、まず先に矢面に立つことになるでしょう」とも。大人でも精神的に追い込まれてしまうロックダウンの状況下、子どもたちは小さな心で大人以上に繊細に重く受け止めて我慢しているのだろう。未来を担う子どもたちが、昔の自分たちのように思い切り遊んで楽しめる日が来るまで、しっかりとサポートしていくことも最重要課題ではないだろうか。
FINDERSより
なんとなく気分が優れない・・・秋うつかも?!
秋になるにつれだるくなったり、憂うつになったり熟睡できなかったり…そんなあなたは「秋うつ」かもしれません。「秋うつ」のメカニズムを知りましょう。
秋に気持ちが落ち込む要因とは…?
実は秋から冬にかけての季節は、うつ病になりやすいと言われています。夏に比べ日照時間が減少することで「セロトニン」と呼ばれる脳内物質が生産されづらくなることが原因の一つです。日照時間が長くなる春になるとうつ症状が改善されるケースはいわゆる「秋うつ」と言われています。
「秋うつ」の代表的な症状
- 過眠:しっかり寝たはずなのに、次の日に強い眠気に襲われたり、一日中眠いことがある。
- 過食:食欲増加に伴い炭水化物やチョコレートなどの甘いものを多くとるようになり、結果体重が増加する。
そのほか一般的なうつ病と同様に以下のような症状も見られることがあります。
- 気分が落ち込む
- これまで楽しんできた趣味などに興味が沸かなくなる
- 疲れがなかなか抜けなくなる、だるい
- 人に会うことが億劫になる
- イライラして周りのものにあたってしまう
「秋うつ」を防ぎましょう
・意識して日の光を浴びる
秋うつの原因は日照時間の短縮によるセロトニンの減少によるものが大きいため、意識的に日の光を浴びることが効果的であると考えられています。できれば遮光カーテンは控える、あるいは遮光率の低いカーテンに変えてみる、あらかじめカーテンを開けて寝るなど、光で起きられるような工夫をしましょう。どうしても日の光を浴びる時間が無い場合は部屋の照明を明るいものに取り換えるだけでも効果は期待できます。
・定期的な運動を取り入れる
ウォーキングなど、一定のリズムを伴った運動を1日20分程度続けることをおすすめします。リズムを保つことによってセロトニンが分泌されやすくなるといわれています。無理のない範囲で習慣化することを意識すると良いでしょう。運動をすることで、心身のコントロールをとるために欠かせない神経伝達物質であるドーパミンの分泌が活発になり、落ち込んだ気持ちが回復する効果も期待できます。
・食事の見直し
セロトニンを増やすためには、脳に運ばれるとセロトニンを生成する働きを持つトリプトファンという成分が欠かせません。日照時間が少なくなるこれからの季節は特に、セロトニンを体内で効果的に増やすために、トリプトファンを多く含むヨーグルトやチーズ、味噌、キムチなど乳酸菌の多い食品を積極的に取り入れましょう。
日常生活での積み重ねが、「秋うつ」の予防・対処につながります。食欲の秋、スポーツの秋、読書の秋など、秋を楽しむために心身ともに健康で働き続けられるようにしていきましょう。
ココカラネクストより
否定せず寄りそって考える「ゲーム障害」 “できてる行動”確認して居場所探しを
WHO(世界保健機関)が2019年5月、「ゲーム障害」を新たな国際疾病分類として認定した。それに伴い、ゲーム障害やネット依存の患者を対象とした専門外来を設ける医療機関が少しずつだが増えつつある。
厚労省研究班の調査によると、オンラインゲームやSNSに没頭する「ネット依存」が疑われる中高生が2017年度に全国に約93万人(7人に1人)いると推計されている。コロナによる外出自粛の影響で、さらに急増が懸念されている。
ゲーム障害とは、どのような状態をいうのか。「WHOが示した主な診断基準は、(1)ゲームをする時間や頻度を自分でコントロールできない(2)日常生活でゲームを他の何よりも優先させる(3)生活に問題が生じてもゲームを続け、エスカレートさせる。この3つの症状が1年以上続くことをいいます。症状が重い場合は、1年以内でも該当します」
ゲーム障害は精神疾患に分類されるが、ゲームをしすぎるので、視力低下やドライアイ、手指の痛み、頭痛や腰痛、長時間座っていることによるエコノミー症候群、食生活の乱れによる低栄養や過食・肥満、抑うつ症状、睡眠障害などの問題も引き起こされる。さらには、ゲームを止めさせようと注意した親への暴行や器物破損、イラ立ちによる兄弟への暴行、友人を失う、などの対人関係にも問題が生じるようになる。
しかし、ゲーム障害に対する確立した治療方法は現時点ではない。
「ゲーム障害は子供のわがままではなく、一種の病的状態であることを親が十分理解することが大切です。頭ごなしにゲームを否定したり、壊してしまうようなことは最悪です。親にもゲームに関心を持ってもらい、寄りそってこの病気を考えてもらう。子供には、まず体の症状を改善させることを目指して受診してもらいます」
認知行動療法は、子供に起床や就寝の時間、食事時間などの生活記録を付けてもらう。加えて、買い物や小さな手伝いなど「できてる行動」も書いてもらう。それに対して親も「ほめる」コメントを付ける。子供は、自分はダメだと思っているので、できていることを確認することが大事という。
「子供はゲームに代わる生活がないからゲームに依存するのです。学校以外でも日中活動できることを探し、自分の居場所が見つかればゲームから離れられます」
ゲームを使用する子供を否定せず、時間の使い方を提案していく治療になるわけだ。
ZAKZAKより