社会医療法人 博友会

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最新!うつ病に関するニュース・要約まとめ2020年(11月)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「産後うつ」女性の不安があまりにも危ないワケ 

子どもを出産した女性の10人に1人が発症するといわれる「産後うつ」。乳児虐待や自殺にもつながりかねない深刻な病気だ。欧米では1980年代後半から関心が高まっている問題だが、日本ではどうなのか――。 

 

「ようやく支援に目が向き始めたところ、といえるでしょう。一方で、今の日本の社会では、いまだ多くの人たちが“赤ちゃんを産んだ女性は幸せに満ちている”といった幻想を持っています」 

「実際に子育てをしている母親でさえそう思っているのです。しかし、その幻想が子育て中の母親を追い詰めて、苦しめていることも事実です」 

産後の女性を苦しめる産後うつとはいったいどんな病気だろうか。 

 

産後の女性、あるいはそのパートナーにとって産後うつは決して他人事ではない

厚生労働省の研究班によると、2015年~2016年の間に産後1年以内に亡くなった妊産婦の死因で最も多かったのは自殺で、がんや心疾患による死亡数よりも多かった。 

事実、産後の女性は妊娠をしていない女性よりもうつ病を発症しやすく、産後うつの罹患(りかん)率は10~15%にものぼる。だが、「それは氷山の一角にすぎない」。それは、産後うつの一歩手前の状態を抱えていながら、適切なケアにつながっていない母親が多いからだ。 

そこに来て、このコロナ禍だ。 

すでに女性の自殺が急増していることが危惧されているが、産後の母親に関しても精神的な負担が増してきている。日本周産期メンタルヘルス学会の調べでも、「本来のサポートを受けられない」「感染が不安で外出受診ができない」「不安で憂鬱になった」といった相談が増えているという。宗田さんはこれに危機感を抱く。 

 

コロナ禍で子育てママの環境はかなり深刻に 

「わが子を感染させてはいけないと外出を控えている母親がいます。子どもと2人きりでいる時間がますます増え、孤立が進む。しかも、そういう母親に対するサポートも感染予防のため一部、ストップしていると聞いています。コロナ禍で子育て中の母親の環境は、かなり深刻になっていると思われます」 

 

「産後うつはうつ病の1つで、出産後1カ月ぐらいたってから表れます。ただ、これは出産直後からの育児ストレスや不安がうつ病という病的なかたちになって表れるまでだいたい1カ月ぐらいかかる、ということです」 

主な症状は、気分がずっと沈み込む、時々泣いてしまうなど。こうしたうつ病の症状に加え、子どもに対する心配や不安、焦燥感、母親としての自責感や自己評価の低下など、母子関係にまつわる症状が表れるのが特徴的だ。 

症状は精神的なものに限らない。頭痛、吐き気、肩凝り、便秘、下痢、しびれといった体の症状として表れることも。実際、亀田さんは頭痛や腰痛などにも悩まされた。 

「体の症状は育児疲れによるものだから仕方ないと決めつけないで。なぜなら、出産によるダメージや育児の疲れが体の症状となって表れているのか、それともうつ病による体の変調なのか、正直なところ区別ができないからです」 

 

<産後うつの症状> 

  • 気分がずっと沈み込む 
  • 時々泣いてしまう 
  • 日常生活の活動に興味がもてない 
  • 「自分が悪い」と感じる 
  • 毎日のように疲労感が続き、気力が湧かない 
  • 自分を価値のない人間(母親失格)だと思う 
  • 家事や育児に集中できない 
  • 赤ちゃんのことが過剰に心配でたまらない 
  • 赤ちゃんのことに無関心になる 
  • 物事(家事)にうまく対処できない 

 

産後うつは心理療法を中心とした治療で早期に対応できれば、比較的治りやすい病気といえる。だからといって軽視できるものではない。病気によって育児放棄や虐待が起こるおそれがあり、母親だけでなく、赤ちゃんの健康や生命にも危険が及びかねないからだ。 

産後うつについても、なりやすい性格が知られている。いわゆる、まじめ、几帳面といった性格なのだが、この性格傾向も近年、変わってきているようだ。 

「外来で妊婦さんや子育て中の母親と話をすると、“みんなはどうしているんですか?”と聞かれることがとても多い」ということ。 

「成長のスピードは赤ちゃんによって違うし、育児に正解はありません。だから、周りを気にすることはないと、そう何度も説明するのですが、結局、みんなと同じだと安心し、違うと不安になるからと譲らない。堂々巡りです。30年間、産婦人科医をしていますが、こういう傾向が出ていたのは最近のように思います」 

 

これは、インターネットなどによる情報の氾濫と、ワンオペ育児の影響が大きいとみている。 

「昔は、地域で子どもを育てていました。多くの人たちが子育てに関わっていたため、妊娠し母親となった女性は、そういう環境の中で子育ての多様性を学んでいった。それが難しい今は、母親がすべてを自分で解決しなければならない。そうなった場合、みんなと一緒というのが判断材料、安心材料になるのだと思います」 

 

育児につまずいたときや行き詰まったときが危ない 

問題は、育児につまずいたときや行き詰まったときだ。 

育児の不安やストレスを吐き出せる相手がいたり、一時的にでも1人の時間を作れる環境があったりすれば、不安やストレスは軽減される。だが、それが難しいケースもある。厚生労働省の調査でも、10年前と比べて「子育ての悩みを相談できる人がいる」「子どもを預けられる人がいる」妊産婦は半分程度に減っている。 

こうした子育ての孤立と負担感の増加を受け、国も支援に乗り出した。その1つが、2014年の「妊娠・出産包括支援モデル事業」として始まった産後ケア事業だ。これは専門家が母親の心と体のケアをしたり、相談に乗ったり、育児サポートなどを請け負ったりすることで、出産直後の母親を支え、子育て環境を整えるというもの。 

 

「これはつまり、子育て家族を支える仕組みができつつあるということ。気になる方は、ご自身の住む地域の市役所や保健センターなどに問い合わせてみましょう。サポートを受けたからといって、母親失格ではありません。むしろしっかりケアしてもらうことで望ましい母子関係が育まれ、それが次の母子関係にも引き継がれます。少しでもつらいと思ったら、専門家に相談することをお勧めします」 

 

東洋経済オンラインより 

 

 

 

「産後うつ」なぜ発症してしまうのか。なりやすい人、向き合い方を医師に聞く 

出産直後の時期、今まで経験してこなかったような急な気分の落ち込みに襲われてしまうといった症状。産後間もない女性によく見られるうつ病の一種とされているのが「産後うつ」です。 

 

 産後1年未満に死亡した女性の死因でもっとも多いのが「自殺」(2015~16年、国立成育医療研究センター調査)という統計があり、自殺の背景として産後うつが疑われるケースも考えられそうです。 

 

◆産後うつ発症のメカニズム 

「出産後に急に怒りっぽくなったり、泣いてしまったり、イライラしてしまったりといった極度な感情の変動と気分の落ち込みが継続的に起きる病態が『産後うつ』とされています」 

 

 一般的にはこのように定義されているそうですが、ここでいう“産後”には諸説あるようです。 

 

「DSM-IV(精神障害の診断と統計マニュアル)では産後4週以内、ICD-10(国際疾病分類)だと6週以内に発症するとされています。研究によっては1年以内くらいまで幅をとらえる場合もあり、最近では、妊娠中に発症する場合があるとも言われています。これらを考慮すると、周産期(妊娠22週から出生後7日未満までの期間)から産後1年くらいにかけてのうつ病という考え方ができるのではないでしょうか」 

 

 では産後うつ発症のメカニズムにはどのようなものがあるのでしょうか。 

 

「もともと、うつになりやすい素因があるとされている生物学的要因や、出産後の女性ホルモンの変動で引き起こされる場合が考えられます。過去にうつ病にかかったことがあった場合や、妊娠中に気分の不安定さがあった場合も発症しやすいと言われていますが、妊娠中に幸福感を感じていた人が発症するケースもあります。誰でもなりうると考えるべきかもしれません」 

 

◆PMSになりやすい人は注意が必要 

 また、もともとPMS(月経前症候群)になりがちな人も注意が必要とのことです。 

 

「生理前に具合が悪くなる傾向にある方も産後うつになりやすいといえます。生理前はホルモンのバランスが変わる時期で、それ自体はごく正常な反応ですが、変化に敏感に反応してしまう体質の人がいらっしゃいます。産後というのは生理前の何十倍も女性ホルモンの変動が激しいとも言われています。もともとPMSの傾向がみられた人こそ気をつけるべきなのです」 

 

 そんななかで、どのように自分自身の産後うつを疑えばいいのか。また、当事者はどのように症状を訴えるのでしょうか。 

 

「気分が落ち込み悲しくなったり、イライラして怒りっぽくなったりと、今までの自分では考えられないくらい気分の変動に襲われる。それが数週間から数か月継続する場合は疑ったほうがいいと思います。当事者は理由がない気分の変動に悩まされているという人もいれば、自分から『産後うつだから来ました』という人も増えていて、実にさまざまです。最近はネットで検索して調べたり、YES・NOで答えるチェックシートで該当したりしたので来たという人も多いですよね」 

 

◆変化が大きい産後。周りのサポートが大切 

 産後うつの治療を考える上で、当事者本人を取り巻く人間関係や環境が重要だと言います。 

 

「旦那さんはもちろんのこと、ご実家のサポートが受けられるのか、地域の支援を受けられる環境にあるかなど、サポートのあるなしが重要です。うつ病は本人の先天的素因もあるので、普段から旦那さんが優しく接していれば、産後うつにならないわけではありません。ですが、一番身近な人間関係という点で、旦那さんとの関係が大きく影響していくことが言えるのではないでしょうか」 

 

◆できない自分も許してあげて 

「周産期、産後というのは人生のなかで一番変化が大きい時期だと思います。体調も変わるし、体質も変わります。さらには社会的な立場、夫婦関係や会社での仕事のやり方も変わります。さまざまな変化に対して『変わっていいんだ』と思うこと。出産前にできたことができなくなってしまうこともありますが、上手に変化に乗って、できない自分を許してあげてください」 

 

女子SPA!より 

 

 

「東京横浜TMSクリニック」、うつ病の新たな治療法「rTMS治療」の提供を開始 

医療法人社団こころみ(神奈川県川崎市、代表医師:大澤亮太)は、令和2年(2020年)12月1日(火)にうつ病の新たな治療法であるrTMS治療を提供する「東京横浜TMSクリニック」を神奈川県川崎市武蔵小杉に開院します。また、当院に併設するかたちで開院する「武蔵小杉こころみクリニック」と連携し、総合的な心の医療に取り組みます。 

 

■rTMS治療について 

反復経頭蓋磁気刺激療法(rTMS療法)は、うつ病の新たな治療法です。反復的に磁気刺激(TMS)を行うことで、神経可塑性(脳内の神経同士の結びつきの柔軟さ)に変化が加わり、抗うつ効果が発揮されるとされています。 

 

アメリカでは、2008年にアメリカ食品医薬品局(FDA)に承認されるなど、世界的には標準治療の一つとされています。日本では2019年6月に保険適応されました。 

TMS療法の特徴は大きく2点あり、治療抵抗性うつ病の方に対しても、一定の抗うつ効果が見られること、従来の治療法と比べ、副作用が少ないことがあります。そのため、薬物治療に対して抵抗性及び不耐性のあるうつ病の方に適した新しい治療の選択肢として注目をされています。 

 

当院がTMS治療を始める目的は大きく3つあります。 

  1. お薬による治療で副作用に苦しむ方、症状が改善しないまま長期化している方などに対して、治療の選択肢を広げたい 
  2. 真面目にTMS治療を追及することで、安心できる、標準的なTMS治療を広めたい 
  3. TMS治療の魅力を感じていただける医療者に集まっていただきたい 

当院は、心身の健康から社会の生産性に貢献したいというビジョンに沿って、患者様に安心していただけるTMS治療に誠実に取り組んでまいります。 

 

■治療費について 

  • 治療料金は、1回あたり4,950円(税込)を基本とします。 
  • 1回5~6分程度のセッションを週3~5日、3~6週間を目安に(最大30セッション)にわたって行います 
  • 保険適用外の治療となります。他の精神疾患治療と同様にTMS治療は継続が重要となるため、より通い易い料金設定を目指しています。 

 

PR TIMESより