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本当はこわい「いびき」の真実…睡眠の専門医が警鐘鳴らす
「いびきを指摘されて悩んでいる」「家族のいびきがうるさくて眠れない」こんな経験をしている人は多いだろう。いびきは、実は体や心のさまざまなところにダメージを与えてしまう、怖いものであることをご存じだろうか。
「いびきを放置しておくと、睡眠時無呼吸症候群(SAS)につながります。重症化すると、高血圧症や動脈硬化の進行にともなう狭心症や心筋梗塞などの循環器系疾患、糖尿病などの代謝系疾患を招き、最悪の場合、突然死のリスクを高めることもあります。」
主な原因は身体的なもので、骨格や体型が大きく影響してくる。骨格的にあごの小さい人、舌や口蓋垂(のどちんこ)の大きい人、扁桃腺が腫れやすい人は、とくにいびきが出やすいと考えていい。
後天的な原因として大きいのは、なんといっても肥満。ただし、痩せているからといっていびきをかかないわけではない。見た目はスリムな体型でも体内に脂肪がついている人はたくさんいる。シャープな顔つきをしていても舌や口蓋垂が生まれつき大きかったり、「アデノイド増殖症」(咽頭扁桃という鼻の奥のリンパ組織が肥大する病気)という、いびきの原因になる病気を患った経験がある人もいる。
また、加齢とともにいびきをかく人の割合は増えていく。人は年を取ると筋肉が衰えていくが、それが舌にも影響してくるからだ。舌の筋肉が緩くなると、舌がのどの奥に入って行ってしまう舌根沈下という現象を招き、気道が狭くなっていびきが出る。
統計上、いびきをかくのは圧倒的に男性が多いのだが、女性も安心はできない。女性の場合、閉経を迎えて女性ホルモンの減少が起こると、相対的に男性ホルモン優位となり、男性化が進むからだ。50歳前後になり更年期に差し掛かってくると、気が付かないうちにいびきをかきやすい体質になっていることを認識しておいた方がいい。
生まれつきの骨格、肥満、鼻やのどの疾患、加齢など、いびきをかく原因はかなり多岐にわたる。誰しもが気を付けなければいけないものなのだ。
「いびきは、私達の心や体にさまざまな悪影響を与えます。うつ病と診断された患者の大半が『睡眠障害』を訴えているというデータがあり、この中には当然、SASも含まれます。逆から考えると、SASが引き金になって、うつ病を発症するケースがあるということです。また、睡眠時無呼吸症候群がAGA(男性型脱毛症)を進行させる可能性や、ED(勃起不全)になる確率を上げるということもわかってきました」
日刊ゲンダイDIGITALより
コロナでも患者は減らず 精神科受診は「特別なこと」ではない
新型コロナウイルス感染への警戒心からか、多くの医療機関で一般受診者の数が減少しているという。そんな中、医療機関で外来診療を行っている精神科医、また個人クリニックを営んでいる精神科医は異口同音に言う。「患者さんの数は減っていない」と。
日本において精神疾患で医療機関を受診する人の数は、年々大幅な増加傾向にある。厚労省の資料「患者調査」によれば、2017年の総患者数は419万3000人。14年が392万4000人だから、3年で26万9000人増加していることになる。17年の日本の総人口が約1億2670万6000人(総務省統計)だから、約30人に1人が精神科を受診している計算だ。
近年、受診に対する抵抗感や周りの偏見が減少したことも患者数増加と無関係ではないだろう。内訳は、数の多い順にうつ病、統合失調症、不安障害、認知症だが、ここ数年はうつ病や認知症の増加が目立つ。うつ病にせよ、認知症にせよ、精神疾患においては、症状を「気分のせい」とか「性格のせい」などと考えずに「病気なのだ」と自覚し、早めに専門医を受診することが肝要だ。とくにうつ病患者の場合、ひとりだけで悩み、自分を責めるだけで受診を遅らせ、病状を悪化させる傾向があるといわれる。
現代の医学においては、うつ病の大部分は完治する疾病だし、認知症も進行を遅らせることは可能だということを覚えておいたほうがいい。精神科受診は特別なことではないのだ。
日刊ゲンダイDIGITALより
ソーシャルディスタンスが招く「鬱」と「死」に警鐘 ポストコロナ自殺者27万人の試算
ソーシャルディスタンスが求められる中で、居場所を奪われ、追いつめられている人々がいる。緊急事態宣言が明けても、学習した恐怖はなかなか消えない。経済が悪化すれば、失業者が増え、自殺が増えることも予想される。
電話相談会は経済的に困窮する人からの相談が多く、見えてきたのは深刻な「うつ」、そして「死」「自殺」というキーワードだ。
失業中という20代の男性は、友だちと飲んだり集まったりもできず、「失業中の自分の話を聞いてくれる人はどこにいますか? 鬱々としてもう死にたい」と話した。住宅ローンを払えなくなったという30代の男性は、「次にローンを払えなくなると家から追い出されてしまう。どうしたらいいでしょう」と、過呼吸気味の状態で泣きながら電話してきた。
今後、不安やストレスによるメンタル不調から、うつ病など深刻な精神疾患へと移行する可能性を指摘。その理由として、今後、感染症によって「私たちの行動が変容していくこと」を挙げる。新型コロナウイルス自体は目に見えず、人間が媒介するため、結果的に私たちの中に人間への恐怖が生まれる。その恐怖は強力に学習され、「コロナ後も簡単には消えることがない」。
ポジティブな感情は、人間関係においてこそ生まれるもの。「3密」のうち「密集」「密接」は本来、大切なものだ。「居場所を確保する機会を失うことは、ストレス耐性を低下させ、メンタルヘルスを脆弱にします。適応障害、不安障害、うつ病、依存症などを発症する危険性を高める可能性がある」
今後の最大の懸念は、経済の悪化により失業者の増加が確実視されることだ。「失業は職場という重要な居場所を失うばかりでなく、経済的問題から家族、友人関係、趣味などの居場所にも、大きな影響を与えます。結果として、社会的立場や役割などのアイデンティティーに強い衝撃を与え、大きな喪失体験となり、うつ病や自殺につながる恐れがある」
今後の自殺についての研究もある。京都大学レジリエンス実践ユニットは、今後の自殺者数を推計したシミュレーションを発表した。コロナ収束を1年後と仮定する「楽観シナリオ」でも年間自殺者数は3万人を超え、2019年の水準に戻るまで19年かかり、その間の累計自殺者は14万人増加する。収束まで2年の「悲観シナリオ」では、19年の水準に戻るまで27年間、累計自殺者は27万人増という計算だ。
「問題は経済活動が再開された後です。『あの人はうまく仕事ができているのに、自分はまだ仕事が見つからない』『あの人はこの経済危機で家族を失わなかったのに、自分は離婚してみじめな状況だ』など、他との比較が始まります。そこで決定的なストレスを受けることになります」
だからこそ、国や行政は雇用の確保と社会保障の整備を最優先すべきだという。
「政策とは国民の健康や幸せを『最大化』すること、という行政の本来の目的を見失わないでほしい」と語る。感染症のリスクから国民の命を守ることと、経済活動とのバランスを取ることは難しい。しかし、感染症のリスクを完全になくすことが不可能である以上、日本の感染死者数が欧米より少ない現状では、死亡者数に見合った対策を、バランスをとって行うべきではないか。
AERAより
感染不安で「さわれなくなった人」の厄介な現状
緊急事態宣言が解除されてから数日間が過ぎた今、新たな不安を訴える人が増えています。その不安とは、新型コロナウイルスへの感染を恐れて「人や物をさわれない」こと。さらに、それによって家族、友人、同僚などとの関係性が危うくなってしまうこと。そんな“摂食障害”ならぬ“接触障害”に悩まされる人からの相談が届いているのです。
下記に具体的な症状を挙げていくと、まず物との接触では、
「電車やエスカレーターの手すりをさわれない」
「バスやエレベーターのボタンを押せない」
「外出先で、どのイスにも座れない」
「家のトイレしか使えなくなった」
「スーパーで他人がさわったものが買えない」
「買ったものは食料品以外もすべて洗い、アルコール除菌する」
「他人のさわったお金がさわれない」
「宅配業者から受け取った荷物を家に入れられない」
「外出先のグラスや箸などを使えない」
次に人との接触では、
「仕事から帰宅した夫をシャワーに直行させ、服はすべて洗濯する」
「電車通勤している夫には一切ふれない」
「同僚から手渡しで書類を受け取れない」
「同僚から話しかけられると逃げたくなる」
「マスクを口からズラして話す友人が嫌いになった」
「ひさしぶりに会った友人から握手を求められたが断ってしまった」
「人とすれちがうときに少しでも肩がふれるのが嫌」
「どの店に入っても、すぐに外へ出たくなってしまう」
みなさんもここまでの状態でなかったとしても、この約2カ月間、人や物との接触に気をつかい続けてきたことで、何らかの変化はないでしょうか。ここでは“接触障害”になってしまう心理と、その対処法を挙げていきます。
■「やらずにはいられない」強迫観念で孤立
「頭の中にずっとある」「どうしても気になってしまう」「みんな危険な人に見える」「多いらしい、続くようなので」「蔓延しているとしか思えない」というフレーズから、必要以上に考えすぎている様子が伝わってきます。
必要以上に考えすぎてしまう最大の要因は、リスクを正しく把握していないから。感染症の専門家たちが、「新型コロナウイルスはさわっただけでは感染しない」「目・鼻・口などをさわらない限り大丈夫」「だから手洗いをしっかりしていれば問題なし」と断言しています。その上で3密(密閉・密集・密接)を避けていれば、過度に恐れる必要性はないのでしょう。
■「接触」の捉え方を段階的に変えていく
では“接触障害”の自覚があるときは、どのように対処したらいいのでしょうか。正直なところ精神的な問題が大きいだけに絶対的な方法はないのですが、下記に方法を挙げていきます。
「新型コロナウイルス」「人や物との接触」「感染」に対する捉え方(「こういうものだ」という認知)を“物凄く怖いもの”という現状から、“怖いもの”“少し怖いもの”と段階を追って徐々に変えていく。
不安や恐れにおける第1の対処法は、対象となる人や物の捉え方を見直すこと。まず不安や恐れの対象となっている人や物を「どういう存在として捉えているのか」をあらためて把握し、次に「小刻みな段階を踏みながら、少しずつ捉え方を変えていく」という計画的な方法があります。
アプローチの方法としては、このような「人や物の捉え方を変えることで、行動が変わる(不安や恐れが改善される)」というパターンが主流ですが、逆に下記のような「多少強引でも先に行動を変えることで、人や物の捉え方が変わる」というパターンのほうが合う人もいます。時にはあえて「怖い」と思っていることをやってみる。「意外に大丈夫だった」「少し慣れたかも」などと自分が変化している感覚を得られたら、改善につながっていく。
感覚の変化が実感できたら、おのずと心は軽くなっていくもの。「人類が存在していくうえではこういう感染症があるのも、それを怖がるのも普通のことなのかな」などと、いい意味でアバウトに考えられるようになれば、“接触障害”は改善されていくでしょう。
「それなりに予防しているから大丈夫」「これくらいなら感染しない」などと毎日、自分に言い聞かせる。できれば鏡に向かって笑顔で言う。自分の身体をさわりながら、大きく息を吸い、ゆっくり吐いて脱力したあとにやさしく言い聞かせる。このようなわかりやすい自己暗示も効果的。これ以外の時間でも、好きなものをリラックスして笑顔で楽しむ時間を増やすほど、過度に感染を怖がる傾向は減らせるでしょう。
逆に家族、友人、同僚など、“接触障害”の人が身近にいる場合は、「大丈夫だからやめて」「感染しないから気にするな」と無理強いせず、おおらかな気持ちで接する姿勢が大切です。
■身体的な症状が出たら医療機関へ
感覚的な不安や嫌悪だけでなく、身体的な動悸、めまい、手足や声の震え、過度な発汗、息苦しさ、吐き気、疲労感、不眠などの症状を感じたときや、日常生活に著しい悪影響が出たときは、心療内科や精神科などの医療機関を受診してください。
また、不安をやわらげようとして、好きなものを食べ過ぎたり、お酒を飲みすぎたりなどの多食多飲も他の病気につながりやすいため要注意。“接触障害”の人は家に引きこもり、ストレス解消のために、ゲーム、テレビ、映画、漫画などに没頭しすぎてしまうなど、精神だけでなく身体の不調につながりやすいので気を付けたいところです。
緊急事態宣言が解除されたことで“接触障害”の不安が増してしまったのは皮肉な現象ですが、自分と周囲の人々にその傾向や症状はないのか。深刻化する前に一度考えてみてください。
東洋経済ONLINEより
久々の出社、「会社行きたくない」人が続出?ストレスと上手に向き合うポイントは
新型コロナウイルスの感染拡大で、発出されていた緊急事態宣言が5月25日に全面的に解除されました。めまぐるしく変わる環境に対応する中で増える心の負担に、どう向き合えばよいのか――。心療内科医で、複数の企業の産業医も務めるセントラルメディカルサポートの石澤哲郎さんに聞きました。
――3月の学校一斉休校から東京五輪延期、政府による4月の緊急事態宣言、宣言の拡大から先日の解除に至るまでこの間、生活がめまぐるしく変わりました。このような状況に、多くの人がストレスを感じているのではないでしょうか。
石澤哲郎さん(以下、石澤):2~3カ月という短期間のうちに、働き方や生活の仕方が変わり、心に負担がかかりやすい状況にあります。
「変化」というもの自体、大きなストレスです。心はストレスを感じると、初めは対処しようとします。しかし頑張っているうちに、疲れ果てて燃え尽きてしまう。
3月にはコロナの問題が大きくなり自粛や、「密閉」「密集」「密接」のいわゆる「3密」を避けることが求められました。そして4月以降は多くの人が自宅で過ごす時間が増えました。この時点で「1カ月頑張ろう」と思っていた人の疲れが、そろそろ出てくるころだと思います。
依然として、6月以降に「元の生活に戻れる」と考えている人がいることも心配ですね。「5月末までがんばれば、普通の生活が戻ってくる」という期待があると、6月を迎えてもかつての日常を取り戻せない現実に直面し、失望してストレスを感じる可能性も高いです。
――会社員のなかには、3月からテレワークをしている人も多くいます。日本生産性本部の調査によると、コロナ収束後もテレワークを継続したい人は6割以上にものぼるようです。ようやく在宅に慣れてきたいま、出社して仕事をする生活に戻ることはストレスにつながりませんか。
石澤:在宅勤務で、生活リズムや仕事の仕方が変わった人も多いと思います。会社にいるよりも自由に働けるといった声も聞かれます。
仕事の仕方に関しては、人とのコミュニケーションの量が減った人が多いでしょう。黙々と仕事をすることが好きな人は、在宅が働きやすいと感じているようです。
出社するようになると、通勤時間を無駄と思ったり、色々な人と接することをストレスと感じたりするかもしれませんね。
職場や学校などといった集団生活を毎日送ることは、気を遣ったり、コミュニケーションを取ったりしなければならず、実は結構大きなストレスになっています。以前は「日常」だったので気づかなかったかもしれませんが、いざ集団生活なしの暮らしになってみたら、それが楽だと知ってしまった。一度解放されてしまうと、元に戻ることは以前よりも大変です。
――私も会社自体は嫌いではないですが、毎朝混雑している電車に乗らなければならないと考えると、億劫に感じます。
石澤:電車は時差出勤などの導入で以前よりは混雑しないかもしれません。それでも、電車通勤は会社へ行くことのハードルを上げると思います。
電車に乗ることで、コロナ感染への恐怖心や、久しぶりの人混みのなかで感じる周囲からの視線に不安を感じる可能性があるためです。
いま、コロナの影響で多くの人が人混みを避けて生活しています。家にこもる生活に慣れてきたところで、突然人が多い場所に行くと、すごく緊張するんです。
――女性の場合は化粧をすることも、出かけることを面倒だと感じる一因になりそうです。
石澤:人によりますね。生活リズムの変化やコミュニケーション不足から「在宅うつ」になった人には、「毎日化粧やお洒落をして、今までのように仕事をしてください」と私はアドバイスをしてきました。化粧をしていない疲れた自分の顔を見ると、気分が落ち込む人が多いんです。だから今までと同じ生活習慣を維持することで、うつ状態になるのを避けることができます。
一方、メイクが面倒で出社したくないと感じるとすれば、自分の中で会社に行くためのハードルを上げすぎているからでしょう。会社は仕事の対価を得る場所で、きれいに見てもらうために行くわけではないですよね。
出社にまつわる面倒くさいことは、やれる範囲でやり、頑張りすぎずないのがいいと思います。
――自粛以前のように出社する生活を楽しみにしている人もたくさんいると思います。出社への意欲が高まりすぎて、ハイになってしまうという可能性もあるのでしょうか。
石澤:人とコミュニケーションを取りながら仕事をすることが好きな人は、出社したいと思っているでしょう。
在宅勤務は効率的だという声がある一方、会社の方がプリンターが使えたり通信環境が安定していたりして、働く環境が整っていることも事実です。また、自宅だと仕事に集中しづらいと感じている人もたくさんいます。出社して仕事をすると、職場の人と雑談したり、昼休憩をしたりなどがリフレッシュになり、ストレス解消になっている人も多いんですよ。
「会社に行きたくない」と思っている人のなかにも、無理やり自分のテンションを上げている人がいると思います。でも本当は行きたくないと思っているので、家に帰るとぐったりする。これが何日か続くと、本当に出社がつらくなってしまいます。
――「頑張るぞ」と気張りすぎないことが大事なのですね。
石澤:環境が大きく変化するときは、あえて自分が変わりすぎないようにすることが重要です。頑張りすぎも良くないですし、後ろ向きに考えることもエネルギーを消費します。
外出自粛の際にも、徐々に慣れた人が多かったと思います。同様に、外に出られるようになって再び出社するようになる時も、最初は大変かもしれません。でも、慣れれば元に戻ります。
大切なのはゆるく考えて、自分を追い込みすぎないことです。自然と「頑張ろう」と思いがちだからこそ、意識的にその気持ちを抑えていただきたいですね。
tellingより
以上ニュースのまとめでした。
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